2015年6月11日木曜日

第1118話 夜明けの缶ビール

ここしばらく、午前中に片づけるシゴトがいろいろ舞い込み、
めったに食べなかった朝食をとるようになった。
真っ当な仕事をするためには
脳にちゃんとブドウ糖を与えなけりゃならんからネ。

たまさか、ごはん&味噌汁のケースもあるけれど、
パンで済ませるほうが圧倒的に多い。
それもほとんどバターを塗ったトーストである。

「ティファニーで朝食を」のオードリーよろしく、
クロワッサンにコーヒーで決めたくなったりもする。
だけどネ、そう簡単に美味しいクロワッサンを
ゲットするのはまず不可能なんですわ。

トーストにおけるJ.C.の気に入りは
敷島製パンのPascoブランド、その8枚切り食パン。
ガスレンジ下のグリルで焼くが
うっかりして焦がすことは日常茶飯事だ。
そのたびに自分の愚かさをつくづく嫌悪する。
本来、トーストの好みは”よく焼き”なれど、
さすがに黒焦げはアカンぞなもし。

心乱れて焼け焦げた箇所をバターナイフでこそげ落とすが
何だかブルーな気持ちになったりもして、挙句は食欲まで失せてくる。
おまけに塗りこむバターのノリが極端に悪くなる。
前夜、夜更かしをした若い女性の化粧のノリが
翌朝、めっきり悪くなるのと因を同じくするものであろうヨ。

トーストに合わせるのは決まって紅茶、
コーヒーではけっしてない。
それもストレートが主流で、ごくまれにレモンティーだ。
今は昔、若かりし頃、ロンドンに長く暮らしたから
ミルクティーには心底なじんでいる。

ところが大きな問題が一つ。
ミルクティーにスジャータはまったく駄目。
コーヒーの友、森永のクリープでさえしっくりこない。
ミルクティーにはミルク、そう、牛の乳でなければ絶対にならない。
能天気な日本の喫茶店は
コーヒー用のクリームで代用する店が多すぎるヨ。

だけどパックの牛乳を買ったりすると、
1週間、いや2週間、いやいや下手を打てば
1ヶ月もそいつに冷蔵庫の一画を占められてしまう。
よって、ストレートに落ち着かざるをえないのだ。

そんなこって、今この時間もトーストをかじり、
ストレート・ティーをすすりながら、コレを書き進めているワケ。
すでに窓の外はしらじら。
ベッドに転がり込む前に
夜明けの缶ビールをプシュっと開けたところなんざんす。