2015年6月22日月曜日

第1125話 ジョージのお次はジョルジュ (その2)

文京区・根津の交差点そば、足をとめて見入ったのは
「ちゃんこ大麒麟」のランチメニューだった。

① さば文化干し&豚肉生姜焼き・・・890円
② 銀だら煮付け&かつおたたき・・・1100円
③ 南まぐろ中とろと赤身・真子がれい刺身&桜海老かき揚げ・・・1200円

以上、3種類の献立が並んでいた。
あちこちでフラレたために、すでに時計は12時半を回っている。
早いとこ決断しなければ―。

入店すると店内は7分の入り。
右手にカウンターがあるがランチタイムは使用されていない様子だ。
左手に座布団を敷いた入れ込みの板の間があって
こちらは堀りごたつ形式となっていた。

接客はパートのオバちゃんらしき女性が一人。
お茶を運んで来た彼女にいきなり告げられる。
「すみません、②番は売り切れました」―
銀だらを好まぬ当方、まったく意に介さず。

選んだのは③番であった。
桜海老のかき揚げは大好物ですからネ。
出(で)を待つ間、壁に貼られた夜の品書きを眺めて過ごす。
いくつか紹介してみよう。

初かつお刺身・・・860.円  初かつおたたき・・・880円
北寄貝刺し or 焼き・・・各1100円  真子がれい刺し・・・1200円
鱧落とし梅肉醤油・・・1080円  鱧とコシアブラの天ぷら・・・1200円
桜海老かき揚げ・・・780円  銀鱈煮付け・・・1100円
鯨立田揚げ・・・950円  フルーツトマトとポテトサラダ・・・700円
枝豆・谷中しょうが・・・各600.円

魚介類を中心に気の利いた料理が揃っているが
厨房の板前も一人なので料理の出はスローペースだ。
どうやらランチ営業にはあまり力を入れていない様子。
途中、満席でもないのにすし詰めを避けるためか
何組かの客を断っていたからネ。

ここへ突然、中年の外人カップルが入ってきて
隣りの卓に陣を取ったではないか。
いえ、べつに外人客がいけないこともないが
なんとなく場違いな印象があったし、
店の外観とメニューボードから想像するに
よくぞ、入店を決意したな、という思いもあった。

ほどなく耳に心地よいフランス語の会話が流れてきた。
差別するのじゃないけれど、
やかましい中国語じゃなくてよかったぞなもし。

=つづく=