またもや、PC不調で丸一日遅れのアップにて恐縮です。
さらに(暖かな日々)のつづき。
新しい年が明けた。
私は、早生まれの戌(いぬ)で、本命の星は六白である。
去年、この六白の星をもつ人は大なり小なり、ひどい目に会った。
むろんのことに例外はあるけれど、
何といっても五黄殺という恐ろしい星が
上へ乗って来たのだから、どうにもならない。
今年は外国へ二度ほど行くつもりだが、
体力的に自信がなくなってきている。
今年は仕事を思いきって減らすつもりだ。
朝から、」まるで春のような暖日。
何だか気味が悪い。
第一食に昨夜のチキン・コロッケをソースで煮て食べる。
午後からY新聞へ行き、例年のごとく映画広告の審査をやる。
これも今年かぎりで辞めることにした。
早く終ったので神保町へ行き、散髪。
それからB社へ行き、むかしからの担当者四名と
近くの中華料理で夕飯をする。
みんな、中年になってしまって食べないし、飲めない。
私も大きなグラスに冷えたビールをなみなみと注ぎ、
ぐっとのみほしたいのだが、のめなくなってしまったし、
すっかり食が細くなってしまった。
先行き、体調が変わって、また、のめるようになるか、どうか・・・
おそらく、そうはならないだろう。
1988年、新春のことである。
めっきりと気が弱くなっていて気の毒なくらいだ。
大好きだったビールにしてもグラス1杯が飲み干せなくなっている。
体調の復元を自ら否定しきってしまっている。
「銀座百点」に連載した「池波正太郎の銀座日記」はここまで。
続いて「池波正太郎の新銀座日記」が始まる。
文庫本のタイトルに、[全]とあるのはこのことだ。
(久しぶりの試写通い)
秋晴れの朝、ほんとうに久しぶりで、試写会へ出かける。
終って、ビルの1Fにある[O軒]へ行き、
たのんでおいたレーズン・パイを受けとり、
店の奥のパーラーでエスプレッソをすするうち
疲れが出てきて、何処へも行く気がしなくなる。
帰りも地下鉄にする。
脚力が、おとろえてしまったことが、はっきりとわかる。
夕飯は家へ帰って食べることにしたので、
コーヒーをのみながら
(何にしようか?)
と、考える。
=つづく=
さらに(暖かな日々)のつづき。
新しい年が明けた。
私は、早生まれの戌(いぬ)で、本命の星は六白である。
去年、この六白の星をもつ人は大なり小なり、ひどい目に会った。
むろんのことに例外はあるけれど、
何といっても五黄殺という恐ろしい星が
上へ乗って来たのだから、どうにもならない。
今年は外国へ二度ほど行くつもりだが、
体力的に自信がなくなってきている。
今年は仕事を思いきって減らすつもりだ。
朝から、」まるで春のような暖日。
何だか気味が悪い。
第一食に昨夜のチキン・コロッケをソースで煮て食べる。
午後からY新聞へ行き、例年のごとく映画広告の審査をやる。
これも今年かぎりで辞めることにした。
早く終ったので神保町へ行き、散髪。
それからB社へ行き、むかしからの担当者四名と
近くの中華料理で夕飯をする。
みんな、中年になってしまって食べないし、飲めない。
私も大きなグラスに冷えたビールをなみなみと注ぎ、
ぐっとのみほしたいのだが、のめなくなってしまったし、
すっかり食が細くなってしまった。
先行き、体調が変わって、また、のめるようになるか、どうか・・・
おそらく、そうはならないだろう。
1988年、新春のことである。
めっきりと気が弱くなっていて気の毒なくらいだ。
大好きだったビールにしてもグラス1杯が飲み干せなくなっている。
体調の復元を自ら否定しきってしまっている。
「銀座百点」に連載した「池波正太郎の銀座日記」はここまで。
続いて「池波正太郎の新銀座日記」が始まる。
文庫本のタイトルに、[全]とあるのはこのことだ。
(久しぶりの試写通い)
秋晴れの朝、ほんとうに久しぶりで、試写会へ出かける。
終って、ビルの1Fにある[O軒]へ行き、
たのんでおいたレーズン・パイを受けとり、
店の奥のパーラーでエスプレッソをすするうち
疲れが出てきて、何処へも行く気がしなくなる。
帰りも地下鉄にする。
脚力が、おとろえてしまったことが、はっきりとわかる。
夕飯は家へ帰って食べることにしたので、
コーヒーをのみながら
(何にしようか?)
と、考える。
=つづく=