2015年10月20日火曜日

第1211話 京成沿線を歩き続けて (その3)

堀切菖蒲園からお花茶屋を経て青砥に着いた。
駅名は青砥でも界隈の地番は青戸である。
さして大きな駅ではないし、駅周辺もどことなく寂しい。
ただ、上野から来る京成本線と、
地下鉄・都営浅草線が押上を経由し、
京成押上線として連結するので
その乗換駅としての役割は重要な駅だ。

青戸の町で迷いに迷った。
ここから高砂橋を渡って高砂へ出るか・・・、
押上方面に南下して立石へ向かうか・・・。

三船敏郎扮する「用心棒」の桑畑三十郎ならば、
棒っ切れを空に放り投げ、
地面に落ちた棒の指す方向に進むところ。
生憎、周りに棒っ切れなんぞあるワケもなく、
100%自己判断に頼らざるを得ない。

悩んだ結果、進路を北東に取って
20分ほどでなつかしい高砂駅前に到着。
40年以上前の1970年代前半、この町にはたびたび出没した。
駅前に「Tき」という小料理屋があり、
その店の若女将のファンでしたからネ。
アドマチック天国ならぬ、アバンチュール天国に
酔いしれていたわけだ。

まっ、それはそれとして
高砂で再び迷う。
ここからたった2駅だけの京成金町線が出ている。
 高砂―柴又―金町
ただそれだけ。

それだけだけど、
柴又のプラットフォームは日本全国津々浦々、
膨大な数のにっぽん人が何度も目にしているハズだ。
そう、寅さんシリーズの「男はつらいよ」でネ。

高砂で迷ったのは柴又へ上るか、
直進して小岩へ出るかである。
結論はすぐに出た。
夕暮れに柴又なんぞに出向いてもいいことは何もない。
そりゃ映画にも登場する「川千家」あたりで
鯉こくか鯉のあらいをつまみに一杯飲ることはできるが
ほかに晩酌客があろうハズもないし、
適当な時間に追い出されるのが関の山だろう。

よって目指したのは小岩の町だ。
本来ならここで藤圭子の「はしご酒」をご覧にいれるところなれど、
過去に何回か紹介しているから省く。

エッ? それでも聴きたいってか!
いいでしょう、いいでしょう、お聴かせしましょう。
ただし、明日ネ、See you tommorow !

=つづく=