2015年10月26日月曜日

第1215話 京成沿線を歩き続けて(その7)

小岩の「江戸政」で酎ハイを飲んでいる。
生の酢橘(すだち)をギュッと搾り込んださわやかなすだちハイだ。
実はここのオリジナル酎ハイはコーヒー豆入りのコーヒーハイ。
すだち、コーヒーともに1杯300円のお手頃価格がうれしい。
すだちのあとでコーヒーにいくつもりだが 
初っ端は柑橘(かんきつ)系をスカッと飲りたい。
 
そう言えば先述の中ジョッキ。
あまりの小ささに苦言を呈したものの、価格表を見たら350円だった。
この値段なら他店の小ジョッキ並みも当たり前、
通常の中ジョッキは500円が相場だもの。

さてさて、酎ハイの合いの手である。
カウンターに品書きがないから壁の札をチェック。
真っ先に目についたのが新香浅漬けだ。
新香は珍しくもなんともないが浅漬けには惹かれた。
ぬか漬けは浅漬けに限る。
というか、古漬けが苦手なんだよねェ。

プライスのことばかりで恐縮ながら
何とこの浅漬けは100円ポッキリ。
浅漬けを謳う以上、安くとも自家製だと思われる。
間違ってもたくあん2切れなんてことはあるまい。
期待もせずに注文に及んだ。

5分後、カウンターに感動で打ちふるえる、
というのはいささかオーバーとしても
心底びっくりしたJ.C.であった。
いや、恐れ入りました。
 正真正銘の浅漬け
おざなり感などまったくなく、
つややかに光り輝いている。
切り付け、盛り付けも申し分ナシである。

さっそくきゅうりを一切れ。
うむ、ウム、よいネ、いいネ。
お次はにんじんをまたいでかぶだ。
これもよし。

浅漬けたちはいずれもシャキシャキとして舌の上に爽快感を運んでくれた。
すだちハイのツレ合いとしてもバッチシである。
これが100円とはなァ。
価格破壊もいいところで
日本橋は「たいめいけん」のボルシチと酢油キャベツみたいに
客はみんながみんな注文するものと思いきや、そうでもない。

はは~ん、ぬか漬けを代表とする漬物類は好き嫌いがあるからネ。
殊に現代の若者の中にはまったく口にしない向きが少なくないという。
夏場のきゅうり・なす、冬場のかぶ・白菜、
酒の肴に飯のおかずにサイコーだと思うけどねェ。

=つづく=