2018年5月1日火曜日

第1861話 「男女6人ピザ物語」 (その2)

切通坂を挟んで湯島天神の向かいにあるピッツェリア、
「アランジャルシ」のテーブルを男女6人が囲んでいる。
ワインやピッツァにウルサい紅組の意見をくみ取りながら
注文を進めていった。

白はアブルッツォとシチリアのシャルドネの2種。
赤はサルデーニャのカンノナウ(グルナッシュ)と
カンパーニャのアリアニコの2種。
全て南イタリアの産である。
リストに北部乃至中部は皆無、南部しかないのだ。

メニューはむろんピッツァが主体で
あとは数種のアンティパストとパスタがあるくらい。
アンティは店主任せの盛合せでお願いし、
4種のピッツァをオーダーする。
パスタは腹の具合を見極め、のちほどというスタイルにした。

協議の結果、択んだピッツァは4枚。
チーズを使わぬマリナーラ、
店名を冠したアランジャルシ、
月形のルナ・ロッサ、
4種のチーズのクワトロ・フォルマッジである。

最初に突き出し代わりのゼッポリーネとフォカッチャが来た。
ゼッポリーネはピッツァ生地に
海藻を練り込んで焼き上げるナポリの名物。
これはこれで美味しいが
ピッツァの大群が控えているというのに
もう一工夫あってよい。
胃袋が小麦粉だらけになっちゃうヨ。

アンティパスト・ミストは何だったっけな?
5種ほどあった気がするけれど、
思い出せるのはとマトのブルスケッタ、
イタリア風オムレツのフリッタータ、
いかリングのマリネに野菜を添えた、
いわばインサラータ・カラマーリ、
以上、3品のみ。
小海老のフリットがあったような、なかったような・・・。
まっ、可も不可もナシってところなり。

最初に運ばれたマリナーラがとてもよろしい。
ニンニクとオレガノが効果的に使われて
風味にインパクトがあった。
ここにアンチョヴィが加わればナポレターナとなる。

通常、マルゲリータに走りがちなピザ屋での選択肢。
あえてモッツァレッラ未使用のマリナーラを
トップに持って来たが仲間たちの評価は高かった。
マルゲリータ以上に基本中の基本、
読者諸氏にぜひとも推したいマリナーラである。

二番手は店名そのままのアランジャルシ。
オペラの世界ならリゴレットやアイーダ、
はたまたトスカにトゥーランドット、
いわゆるタイトルロールだ。
はて、どんなピッツァが現れることやら・・・。

=つづく=