2019年4月23日火曜日

第2116話 背肝もとめて神楽坂 (その1)

ふとしたことをきっかけに
のみとも・B千チャンとメールをやり取りしているうち、
たまにゃあ一緒に飲もうヨ、という展開に―。
酌交するのは昨年の夏以来である。
どの町の、どんな店で・・・
いろいろ思いをめぐらせていてあることに思い当たった。

彼とは2年前の冬にも
谷中は初音小路の「鳥真」で飲んだ。
つい先日、馬主の半チャンと旧交を温めた店である。

数ある焼き鳥の部位の中でJ.C.が最も愛するのは背肝。
その背肝をいただくために「鳥真」に案内したのだが
大将曰く、
「その部分を捌く職人の人手不足で
 仕入れられないなんですヨ」
結局、肩透かしを食らう破目に陥った。

そのとき、次回はB千チャンを背肝をもとめて
どこか他の店に案内しなきゃいけないな・・・。
かように反省したのだ。
それをコロリと忘れてしまい、
いたずらに月日を重ねてしまったが
ことここに及び、突然、思い出したわけである。
さすれば、目指すは神楽坂下の「駒安」だろう。

開店時刻の17時半に現地で待合せ。
最寄りのJR総武線・飯田橋駅に
到着したのは17時過ぎだった。
30分も余裕があると、
どうしても独り0次会の誘惑にかられる。

前述の半チャンが横綱級の酒豪であるのに対し、
B千チャンは小結と前頭上位を行ったり来たりのクラス。
間違ってもこちらが先に潰れることはあるまい。
相手をナメたつもりは毛頭ないが
取りあえず、軽く1~2杯いっとこう。

「駒安」は神楽坂下から坂上に向かい、
すぐ一つ目の小道を左折して
このエリアの穴場的スポット、
小栗通りに抜ける道筋にある。

取りあえず小栗通りを目指すと
「駒安」の手前に見慣れない立ち飲み処があった。
「かね子」なる場末のスナックみたいな店名だが
雰囲気はイタリアンのバール風。
こりゃ、行き掛けの駄賃にもって来いじゃないか―。
深く考えもせず、飛び込んだのでありました。

=つづく=