2019年9月11日水曜日

第2217話 両国橋のたもと (その1)

この日は以前ちょくちょく浅草で飲んだ友と
墨田区・両国でどぜう鍋を突つく予定。
早めに家を出たから
JR総武線で一つ手前の浅草橋下車。
神田川沿いを歩く。

ここは台東区・柳橋。
10年前まで10年ほど暮らした町である。
かつては栄華を極めた花街も今は廃れ果てて見る影もない。
しばらく界隈を散策し、柳橋を渡って両国橋西詰へ。

目指す「桔梗家」は東詰のたもと。
隅田川の下流を眺めながらのんびり橋を渡っていたら
またもや脳裏をよぎるのは「アメリカ橋」のメロディー。
足を止め、水面を見つめて
しばし戯れ歌作りにいそしんでみた。
その結果がコレ。

♪   頬を川風が かすめすぎてゆく
  久しぶりだねと 肩で風を切って―
  両国橋のたもと 灯の点るぬくもり
  はずせない鯉 食べた店 細部屋の灯り
  籐だたみ籐だたみ 丸鍋突つく
  熱か熱か 熱かった正餐     ♪

こりゃまた失礼しました。

店の前で相方と落合い、引き戸を引いて入店。
まだ早い時間で先客はいなかった。
「駒形どぜう」、合羽橋「飯田屋」、
吾妻橋「ひら井」は揃って浅草圏内。
それが両国となると地の利は薄い。
大相撲の場所中は賑わうようだが
主に客が流れるのはちゃんこ鍋屋だろう。

どぜう屋なのに
うなぎの寝床みたいな細部屋の奥に通された。
畳はもちろん籐だたみ。
グラスを合わせたのはサッポロ黒ラベル。
浅草は地元のアサヒが席巻しているが
両国まで下れば、その威信も揺らぐ。

突き出しはひじきとこんにゃくの煮もの。
10年以上も間が空いてしまって記憶は曖昧ながら
おそらく前回もひじきだったような・・・。
あまりうれしくないけれど、無いよりはいいかもネ。

相方が嫌がる鯉をあえて注文。
あらい、あら煮、鯉こくの三択から
一番クセのなさそうなあらいにしてみた。
実はJ.C.も鯉はそんなに好きじゃないんだ。

=つづく=