2019年9月25日水曜日

第2227話 区をながれゆく (その3)

S字形に蛇行する旧中川を江東新橋で渡った。
江東区から江戸川区へながれ出たわけだ。
ほどなくJR総武線・平井駅に到達する。
これより先の新小岩や小岩ほどではないにせよ、
この町もまた、
墨東の赤線地帯ならぬ、赤提灯地帯と言ってよい。

止まり木を求めて
目抜きの平井駅通りを南北に行ったり来たり。
何度か訪れた「松ちゃん」にしようかな?
いや、ちょいと待て、
確か、線路沿いに山形料理屋があったハズ。
北口に戻って下り方面に数分歩くと、すぐに見つかった。
屋号は「もがみがわ」。
五月雨をあつめて早い急流である。

冷酒で始めるつもりでいたが1駅歩いたうえに
平井の町を徘徊したものだから
どうしても麦酒がほしくなる。
熱中症予防に水分はたっぷり補給しないとネ。
TVによく出てくるタレント医師の言うことにゃ、
ビールは駄目らしいが、ここであらためてわれ思う。
生(き)の日本酒やロックの焼酎よりは
ずっとマシなんじゃないの。

よってドライの大瓶をトクトクトク。
至福のときを迎えながら、再びわれ思う。
この瞬間を連れ去ろうとする、
ヘッポコ医者の言うことなんか
まともに聞いてられっかヨ。

つまみは山形の漬物盛合せ。
自家製のぬか漬けもあるのだが
ここはあえて当地のメーカー各社による、
出来合い品を頼んだ。
しかるに、きゅうり系4種、なす系1種の5点盛りは
みなそこそこしょっぱく、
だんだんツラくなってくるし、飽きてもきた。

たまらず冷酒をお願いする
その名も最上川。
造り手は山形県最上郡大蔵村の小屋酒造。
創業は何と1593年、山形県最古の酒造である。
効果はてきめん、満ち潮の口内をサラリ洗浄してくれた。
まるでお口のビデですな。

郷土色の強い玉こんにゃくか芋煮の追加を考えていると
にわかに店が立て混んできた。
先もあることだし、ここが潮時と腰を上げる。
勘定は1500円ほど。
短い時間ながら、ささやかに楽しめた。

再び蔵前橋通りを東(正しくは北東)へ。
荒川と中川、2河川まとめて平井大橋で渡った。

=つづく=

「もがみがわ」
 東京都江戸川区平井5-24-10
 03-3619-0989