2019年9月18日水曜日

第2222話 焼きとんたたき&わら焼きたたき

浄土宗の大本山、増上寺門前の大門をくぐり、
第一京浜を横断してJR浜松町駅。
さんとも・O戸サンをピックアップして向かったのは
創業90周年を迎えたもつ焼きの「秋田屋」だ。
デビュー当初のビートたけしだったら
「くだらねェもん90年も焼いてるんじゃねェ!」-
ひと絡みしそうなところではある。

ここへ来るのは実に18年ぶり。
芝公園のホテルでバイトしていた’70年代には
ちょくちょく立ち寄った店にずいぶんご無沙汰したものだ。

軽く1~2杯のつもりだから入店せずに
焼き場の真ん前のオン・ザ・ストリートで立ち飲む。
アサヒの大瓶を分け合った。

次があるため、焼きとんは1人2本にとどめた。
まずは名物のたたきから。
棒状つくねはインド料理店のシークカバブに似ている。
たたいた軟骨入りが名称の由来だ。

たたきとともに瓶はカラとなり、生ビールに移行。
銘柄はキリン一番搾りだった。
瓶から生へと、何だか順序が後先になってしまった。
2本目はレバである。
塩・タレの指定を省いたらどちらもタレできた。

浜松町(大門)の超人気店とはいえ、
そこまで素晴らしい焼きとんとも思えない。
もちろん水準をクリアしており、それなりの満足感は残る。
お1人様1本限りのたたき人気に支えられ、
これからもずっと枝は栄えて葉を繁らせるのだろう。

徒歩15秒の「わらやき屋 龍馬の塔」に横移動した。
かつおの藁焼きたたき専門店は
(株)ダイヤモンドダイニング傘下のチェーンだから
なるべく避けて通りたいが
藁焼きに釘付けとなった藁人形状態で迷い込んでしまった。

ビールはもうじゅうぶん、よって店自慢のサワーを。
当方、直七サワー、相方は文旦サワーだ。
直七は高知県・宿毛市特産のかんきつ。
和食に貢献する三大かんきつ、
柚子・かぼす・酢橘のうちでは、かぼすに一番近い。
文旦は長崎名物・ザボンの別名。

♪   ザボンのかおりの うす月夜
  死んでも忘れぬ 恋すがた
  あゝ 忘れぬ 長崎ブルースよ ♪

青江美奈のヒット曲「長崎ブルース」の3番にも謳われている。

かつおのタタキはニンニクと塩でいただいた。
間近でわら焼きを目にしただけに味わいもひとしお。
切り身の分厚さにちょいと閉口しながらもそれなりに楽しめる。
ほかは食べ応えのある、お通し(生野菜盛合せ)と
青さのりの天ぷらだけでいっぱい、イッパイ。
割高感のある店だけに一度来れば、もういいかもネ。
タタキとタタキのたたき合いとなった一夜は
次第に更けてゆきました。

「秋田屋」
 東京都港区浜松町2-1-2
 03-3432-0020

「わらやき屋 龍馬の塔」
 東京都港区浜松町2-1-7
 050-5890-1580