2019年9月24日火曜日

第2226話 区をながれゆく (その2)

まだ浅い時間ながら江東区・亀戸で晩酌難民状態。
さっきくぐったJR総武線の錦糸町寄りガードの反対側、
平井寄りをくぐり返して北口に舞い戻る。
いや、マイッたなァ。

再び飲食店が密集する「亀戸ぎょうざ」界隈を物色し、
ようやく見つけたのが「したぢ屋」なる焼きとん屋。
まさしく”したぢ”を作るに恰好の店、すんなり入店した
喫茶店を居抜いたような店内はすでに8割方埋まっている。
16時開店でただいま16時15分。
亀戸の呑ン兵衛たちは出足が早いや。

スーパードライの中ジョッキにノドを鳴らして品書きの吟味。
といっても焼きとん2~3本でじゅうぶん。
通したのは、ハツを塩、シロとレバはタレ。
そうしておいてスタッフや客たちのウォッチングにいそしむ。

オペレーションは接客の女性と調理の男性2人きり。
ともにまだ20代だろう、いや、若い。
しかし、よくもまあ2人で20人近い客をさばくものよのぉ。
感心することしきりであった。

本日のおすすめボードに惹かれるもの2品あり。
はもフライ(200円)、すみいか天ぷら(250円)は
どちらも高級食材なのにこの安さ。
普段なら迷わずイッちゃうところなれど、
初訪問では店のレベルが推し量れない。

開店早々、これだけの地元民が押し寄せるからには
余計な危惧は無用だろうが、もしもということもある。
加えて安いがゆえの懸念も生じる。
ほら、昔から言うでしょ、安物買いの銭失いって―。

焼きとんは炭火ではなく電気焼き。
何せ1本80円だからネ。
カシラにちょっとクセを感じたものの、シロとレバは上々だ。
タレの塩梅よろしく、当店の焼きとんは塩よりタレを推す。
壁に貼られた品札が微笑ましい。

たくやのオススメ・・・タン カシラ
れいなのオススメ・・・お刺身 煮込み

なるほどネ。
たくや&れいなは夫婦、もしくは恋人同士なのだろう。
何だか応援したくなっちゃうな。
16時半を回り、店はとうとう満席になった。
れいなは八面六臂の大活躍。
たくやも負けじともつを焼くだけでなく、
刺身、揚げものもしっかり仕上げてゆく。

中ジョッキ2杯、焼きとん3本でお代は1209円。
晴々として蔵前橋通りを東へと向かいました。

=つづく=

「したぢ屋」
 東京都江東区亀戸5-16-5
 03-5875-4995