2019年9月16日月曜日

第2220話 肴はあぶった イカにした (その1)

先週の13日の金曜日。
不幸な大事件は起こらなかったようだが
都内(ほとんど日本全国)の空気は
夏から秋へといきなりの全取っ替え、いや、驚いた。

れはそれとしてその日は
さんとも・O戸サンと久々の交遊。
待合せはJR浜松町駅だが、その前に恒例の0次会だ。
同じ町では面白みに欠ける。
隣り駅の田町で下車した。
第一京浜国道の向こうは都営地下鉄三田線・三田。
そう、若き血に燃ゆる者、
陸の王者のホームタウンでありました。

しばらく潜入していない森永プラザビルの地下、
エンゼル街に降りてみた。
土曜の午後とあって休業店舗だらけ。
開いていたのは日本そば「謙徳」と
羽根付き餃子の「歓迎(ホアンヨン)」だけだ。

ここはワイガヤの餃子屋より静かなそば屋だろう。
ところが入店と同時に接客係の元気な声また声。
「いらっしゃいませ~!」
中には
「イラサマセ~!」
も混じっていたような。

スーパードライの中瓶を飲みながら
つまみを吟味していると、瀟洒なお通しが供された。
何と、数の子にそば寿司じゃありませんか!
数の子は花がつおをまとい、
そば寿司は出し巻き玉子ときゅうりを芯に巻かれていた。

お通しのオサレ度にほとほと感心したものの、
いや、ちょっと待て、いくらチャージされるんだろう?
これがサービス品ってことはありえない。
アコギな店なら500円はふっかけてくるかもしれない。

はたして、会計後に逆算してみたら330円。
案の定、けっこうな値段ながらアコギとまでは言えないな。
道理でお運びのオバちゃん、
元気な声のわりに、お通しを出す際は
ずいぶん遠慮がちで、おそるおそるの感すらあった。

ハハ~ン、客の中には無粋に突っ返す輩がいるんだネ。
大阪のオッチャンやなんかに
「そんなん要らんわ!」-
どやされたら、即、引っ込めそうな気配で
ハナから腰が引けてたもん。
ダイジョブ、ダイジョビ、
このオジサンは浪花のオッチャンやあらへんで~。

=つづく=