2019年12月30日月曜日

第2295話 師走の玉ノ井 (その2)

「カトリカ」をあとにして、いろは通りに戻った。
食後のコーヒーでくつろぐために
立ち寄ったのは「玉ノ井カフェ」。
以前を言やあ、喫茶店とはまったく無縁の身、
それがどうしてこうなったのか
すでに幾たびも述べたので今話ではスルー。

”寺島・玉の井まちおこし委員会”が
墨田区の支援を受けながら運営するカフェは
小ざっぱりとして小粋な空間だ。
当方が荷風ブレンド、相方は玉ノ井ブレンド、
それぞれコーヒーをお願いした。
荷風のほうが深煎りで苦みが立っている。

先客・後客がまったくない貸し切り状態のひととき。
小柄なママさんが独りですべてをこなすが
少々、手持無沙汰の様子であった。
四半刻の滞空でおいとました。

その足で「ビッグ・エコー」へ。
この地は”ぬけられます”の陋巷、玉ノ井。
田舎の芝居小屋みたいな店は
大手カラオケボックスとして
他に類を見ない造作のノンビリ・カラだった。

そのせいか「エコー」なら必ずあるハズのウイスキー、
サントリー知多がない。
置いてもオーダーが入らないんだろう。
そこを補ったのがスーパードライの生だ。
マイクそっちのけで3杯もやっつけちゃったヨ。

夕飯は近隣の町中華「興華楼」。
ここへ来るのは2008 年9月以来で
過去何回か訪れているが、いつも夏だった。
当店の冷やし中華はJ.C.の好物なり。

おやぁ、切盛りするのはオバちゃん二人だけだ。
オジさんが居た記憶があるんだけど、
すでに11年の歳月が流れている。
問い掛けるのも何だし、まっ、いいか。
ドライのグラスを合わせ、さっそくのニラレバ炒め。
本来はニラ&レバのみが理想で、もやしなど不要だが
シャキシャキ感よろしく、一定の役割をはたしていた。

続いて洋食メニューからポークソテーを。
ケチャップ主体のソースが
アカ抜けないものの、肉質はグッド。
付合わせはキャベツ&トマトにマカロニサラダ。
厨房のオバちゃん、頑張ってるなァ。
ビールにはとんかつが定番なれど、
たまのソテーは味わい深い。
独りだと食べ切る前に冷めてしまうソテーも
二人で挑めば、余計な心配は要らない。

ジャンボ宝くじじゃあるまいし、
師走の冷やし中華という選択肢はないから
懐かしさが隠し味のラーメンを締めとした。

「玉ノ井カフェ」
 東京都墨田区東向島5-27-4
 080-2107-1016

「興華楼」
 東京都墨田区東向島5-28-2
 03-3611-2671