2020年1月22日水曜日

第2312話 塩豚タンと味噌串かつ

三ノ輪橋をあとにして
都内の幹線道路、明治通りに出ると、
都営バスが近づいて来た。
遠目にも行く先の池袋駅東口が読み取れ、
反射的に乗りこんでしまう。

このバスはわが家のそばに停まる。
ウチ飲みもよし、近場飲みもまたよし。
ガラガラの車内で揺られることしばし。
「次は新三河島駅前です」-
ん? 何だ、なんだ!
いったいこのバス、何処へ行くんだ。

路線図を確かめてナツのトク。
さっきのバスストップは
2ルートの池袋駅東口行きが通っていた。
いつも(あまりバスには乗らないが)
利用するのは西日暮里駅ルート。
乗っているのは王子駅経由だ。

王子は前日、チンチン電車で行ったばかり。
同じ轍は踏みたくないから
取りあえず、ネクストストップで降車した。
ここ新三河島には勝手知ったる冠新道があるしネ。

およそ1年前の年の瀬に新道の「熱海屋」で
一飲に及んだが、この日は正月休みの真っただ中。
代わりに並びの「とん國」が灯りを点していた。
名古屋風味噌とんかつの店だが
一度試したかっただけに、しめしめ。

ワンオペの店主は口が重く、先客の姿もない。
な~んか、暗~い雰囲気。
黒ラベルの大瓶と、
手軽な豚タン塩焼き(280円)を通し、
壁に一筆あった字を読んだ。

当店創業1973年6月
今年で47周年 
       店主 

 ずっとこの場所で続けてきたらしい。
キャベツを添えた豚タンは思いのほかよかった。
味噌かつ専門店におジャマして
名代をスルーするわけにはいくまい。
かといってロースカツのフルポーションはムリ。
よって1本の串かつ(280円)に行く末を託す。

三州岡崎の八丁味噌が主張するタレは
けして好みじゃないけれど、
たまに食べると舌先に変化をもたらし、いいもんだ。
カツやフライにはウスターソースが好きだが
名古屋の味噌ダレはとんかつソースより嗜好に合うかも?

フルの味噌とんかつを完食したのは
15年前の「矢場とん 銀座店」が最後。
近いうち、どこかで再挑戦する気持ちになりました。

「味噌かつ とん國」
 荒川区西日暮里6-33-8
 03-3800-4496