2020年1月27日月曜日

第2315話 あの「まつや」が鍋屋横丁に

氷雨が雪まじりとなったのに、かまわず家を出た。
行く先は決めていない。
最寄り駅でメトロの電車を待つ間、
何となく考えがまとまってきた。

二度乗り換えた末、降車したのは丸ノ内線・新中野。
駅そばの鍋屋横丁を南に歩く。
一昨年秋に訪れた「かつ金」を左に見てほどなく、
横丁の反対側に位置する日本そば「まつや」に到着。
池波正太郎翁ご用達、神田「まつや」の分店は
2000年の創業と比較的新しい。

客入りは8割方、近隣の住人ばかりに見受けた。
壁の品書きにサッと目を通し、
サービスメニューのセットを注文する。
かき南ばんとミニづけ丼のコンビは1200円。
づけ丼をそば団子に代えることも可能だ。
かき南ばんはかきせいろでもOK。
かきが小海老天ぷらなら1000円、きのこだと900円。
神田の本家より割安感がある。

整ったどんぶりには大小おり混ぜてかきが5粒。
加えて南ばんねぎ、みつば、柚皮1片、さらしねぎ。
ミニづけ丼は茶碗に盛られていたが、そこそこの量。
まぐろぶつの薄切りを散らした姿は美しいとは言えない。

当店は100円出せば
おろし立ての本わさびを提供してくれる。
わさびフリークにはありがたく、
温かいつゆそばには不要ながら、づけ丼用に所望した。
これが功を奏して酢めしでなくとも楽しめた。

かき南蛮はそば自体がヤワいが
かきのエキスがつゆにしみ出してかき鍋を味わうが如し。
おっと、ここは鍋屋横丁でありました。
調子に乗って、つゆを完飲してしもうたヨ。

あえてビールをパスしたものの、
目はどうしてもつまみメニューを追いかける。

白子ポン酢(600円) 穴子天ぷら(850円)
まくろぶつ(600円) まぐろ山かけ(750円)
べったら漬け(400円) 鳥もつ煮(550円)
焼き鳥(650円) くじらベーコン(900円)

神田よりずっと品数多い。
次回は晩酌にうかがおう。

翌日の午後、ぼんやりTVを見てると、
「路線バスで寄り道の旅」が
鍋屋横丁を映しているじゃないか。
律子と雅美を引き連れた徳さんが寄り道しまくり。
横丁は不遇時代のマチャミにとってなじみの場所で
放送はかなりの時間をこの地に費やす始末。
もっともJ.C.が訪れた、
そば屋もとんかつ屋も登場しなかったがネ。

「まつや」
 東京都中野区本町4-38-26
 03-3381-2470