2020年1月31日金曜日

第2319話 ミートソースはパンと一緒に

その「とんかつ山家 御徒町店」の道筋に
歴史を感じさせるゴージャスな喫茶店がある。
その名も「王城」、たいそうな名前だ。
ずいぶん昔、一度利用したが
その後、サテンと無縁の日々を生きてきたため無沙汰。 
あらためて店頭にたたずんだ昼めしどきだった。

スパゲッティ・ミートソースがドリンク付きで1000円。
老舗の喫茶店が大きくフェアウェイを外すとも思えない。
よおし、決めた!
単品は900円だが当然、コーヒーとのセットで―。

メニューを手にとると
ナポリタン、薬膳キーマカレーが同値で海老ピラフは900円。
喫茶店におけるランチセットの価格設定を把握した感あり。
ミートソースは酸味が勝ちながら
上手に仕上がってボリュームもじゅうぶん
具材は玉ねぎ、ピーマン、缶詰のマッシュルーム。
ハムは繊切りにせず、3センチ四方が4~5枚と
かりそめのリッチを装う。

ただし、ソースが多すぎて、いささかもて余す。
1片のパンが欲しいと思いつつ、食後のコーヒーを味わう。
深煎りタイプは砂糖&クリームを使ったほうが美味しい。
シュガーポット、ミルクピッチャー、
手入れの行き届いたシルバー類がピカピカだ。

後日、キーマカレーを試した。
上野駅前、漢方処方専門「天心堂診療所」監修とのことで
言われてみれば、そんな味もしてくる。
アキョウ・モッカ・甘草・陳皮・竜眼肉・蘇葉。
投入された生薬はチンプンカンプン。
あとで調べたらアキョウなんざ、
ロバの皮膚から取り出したニカワだとサ。
アキョウは漢字で阿膠、なるほど膠はニカワだ。

サテンのカレーライスとして不満はないけれど、
やはりソースが多く、ミートソース以上に余った。
ここでふと思い出す。
先日のミートにパンがあれば、もっと旨かろう。

数日後、「王城」の四人用ボックスを占有する、
J.C.の姿を見ることができた。
接客の女性に訊ねると、パンのゲットは
トーストかサンドイッチを注文するしかないと判明。
仕方ないなァ、あきらめるとするか―。

いや、待て、待て、ソロであれだけの代物に
パンが加勢したら旨さ倍増となるやもしれぬ。
イケるとこまでイッたろうやないかい。

結果、ドーンと来た厚焼きトーストを半分も食えない。
無理をさせたストマックが悲鳴を上げ出す始末。
深くこうべを垂れて反省する真摯な J.C.、
その姿はまさしくアホ晋三に見倣わせたいほどのもの。
いやはや「王城」だけに、往生しやしたぜ。

「王城」
 東京都台東区上野6-8-14
 03-3832-2863