2020年2月26日水曜日

第2337話 二人合わせて170歳 (その2)

最寄り駅が西武池袋線・東長崎(豊島区)でも
地番は練馬区・旭丘の町中華「新京」。
ラーメンが300円と安いが豚肉料理も破格だ。
あらためてよく見たら、とりうまにが650円で
にくうまには600円と、鳥優勢ながら
さすがに親子丼は550円、カツ丼は600円で豚の勝ち。
しかし、これがチキンカツ丼なら650円に値付けされ、
豚を上回るのかもしれない。

あまり迷わずにポークソテーを単品でお願い。
1週前に大森町の「高柳」で食べたばかりなのにネ。
キリンラガーの大瓶を半分ほど飲んだ頃、
意想外に立派なポークソテーが登場した。
小麦粉がはたかれてるが
これをポークムニエルとは言わない。

10切れにカットされており、
つけ合わせは温野菜ではなく、
繊切りキャベツときゅうりの薄切り。
レモンのスライスも1枚。
甘めのソースに加え、
オムライスよろしく中央にケチャップが一匙。
肉質はなかなかで1週前の「高柳」に遜色なかった。

キリンラガーもやはり1週前に
横浜で鍛えに鍛えられたせいか美味しく飲めた。
たぶん甘く濃いソース&ケチャップのおかげだろう。

解体屋の作業員らしきアンちゃんが二人、
入店してきてJ.C.の背後の卓に着いた。
うち一人がしきりに絡んだ痰を
カカーッ!っとやるのには閉口したが
厳しい環境下で働いていることを慮れば、
責めることなどできやしない。

ポークソテーを単品にしたのはラーメンで締めるため。
大瓶も空いたことだし、
そろそろ通そうとして、ふと思った。
とんかつ、ポークソテーより、
高価なやきぶた(600円)って
いったいどんな代物だろう?
好奇心につまづいて普段まず注文することのない、
ちゃしゅうめん(ママ)をお願いしてしまった。

整ったどんぶりには杏子(あんず)の花の如くに
薄紅色のちゃしゅうが5枚。
五瓣(ごべん)の椿ならぬ、五瓣の杏子が咲いていた。
脂身がまったく付いていない、ちゃしゅうは
煮豚ではなく焼き豚、昔の人は本当に律儀なのだ。
ほかにはほうれん草と、きざみねぎのみで
予想された、シナチク、ナルト、焼き海苔は全てナシ。
ややちぢれの中細麺に化調最小限のスープがやさしい。

退店後、あらためて暖簾を振り返った。
白地に赤く”ラーメン”の文字と雷文模様。
暖簾のループを通す鉄線が弧を描くのは
当店のほか、玉ノ井の「興華楼」しか思い浮かばない。
近々、当地に開館予定のトキワ荘マンガミュージアム。
そのペナントが街灯を彩る千川通りを南東に歩いて行った。

 「新京」
 東京都練馬区旭丘1-5-6
 03-3953-8951