2020年7月28日火曜日

第2446話 駅前ビルの片隅に

先日、横浜からの友人と新橋で落ち合った際。
ハシゴを目論んだのは新橋駅前ビルの地下飲食街。
ついでに1階&2階も下見してあった。

そのとき1階の隅っこで見つけたのが
「とんかつまるや 新橋駅前本店」。
同じ1階のちょいと離れた場所に
「立呑み とんかつ まるや」というのもあった。 

上記2店は新橋店で近所の烏森口や汐留にもあり、
エリアの繁盛店と判明したが
ショップカードを見て驚いた。
新橋のみならず、丸の内・有楽町・霞が関・青山等々、
都心の一等地にチェーン展開していたのだ。

その事実を知る前に駅前ビルの本店を訪れた。
オープンキッチンL字と壁向き、
2本のカウンターのみでテーブル席はない。

13時過ぎの客入りは6割ほど。
ロースかつが一番人気の様子だ。
先人たちに倣い、ロースかつ定食(700円)と
サイドオーダーの梅しそ(100円)を通した。
だけど、何だってこんなに安いんだ。

15分で整った定食は
サイズそこそこのロースにこんもりキャベツ、
やや多めのライス、しじみ味噌汁、大根新香。
ライスと味噌汁はお替わり自由、キャベツの追加は100円。
こういう格安店が隆盛を極めていては
日本経済のデフレ脱却など、見果てぬ夢なり。

生パン粉使用のコロモはサックリ揚がって上々。
ロースの火の通しもジャストだ。
ところが豚肉の味と香りがしない。
カナダ産か米国産と推察されるが魅力に乏しい。

ソースをたっぷり掛け、辛子もたっぷり塗り、
どんぶりメシをガッツリ。
若いリーマンの明日への活力につながること請け合い。
でも、量より質のオッサンにはもの足りないんだ。
けして不味いわけじゃないがネ。
とにかくこの安さは庶民の強い味方。
大阪のらびちゃんじゃないけれど、
オヤジがネチネチ突っつくところじゃないわな。

しかしながら最後に一言。
サイドの梅しそがヒドかった。
メニューには梅干しの隣りにあったから
てっきり梅と一緒に漬けた赤しそかと思ったら
実際は既製の梅ペーストに鰹節を混ぜ込んだモノ。
一舐めして天ならぬ、天井を仰ぎ、
あとは放置のノー・タッチでありました。
 
「とんかつまるや 新橋駅前本店」
 東京都港区新橋2-20-5 新橋駅前ビル1号館
 03-3573-0318