2020年7月7日火曜日

第2431話 銀座と日比谷を往ったり来たり (その2)

日比谷ミッドタウンの地下から3階に上がった。
顔を出したのは「立呑 三ぶん」。
前回、毛蟹サラダと蟹味噌に不満を残した立ち飲み酒場だ。
先客は4人だけで立ち位置に余裕がある。
好みではない、昔ながらのアサヒ生ビールを1杯。
銀座を隅々まで歩き、ノドの渇きは極限に達していた。
でも、1杯でやめておく。

2杯目はまたもや芋焼酎、深海うなぎのロック。
「三ぶん」「う成」「三ぶん」と三連荘。
うなぎは続くヨ、どこまでも・・・ヌルヌル。
クイッと飲れば、氷がコロリン。
う~む、好きな酒だ。

本日の刺身のラインナップは
かつお(宮城)、平目(千葉)、もんごいか(房総)。
ここは平目であっさりいきたいが、かつおはたたきだ。
好物のたたきを看過できず、店長に訊いてみた。
「ニンニクやります?」
「エッ、ニンニクですよネ、スライスの。
 アレいいんですけど、その、ちょっと・・・」

こういう店は意外に多い。
かつお&ニンニクの相性を承知していても
匂いを嫌う素人が少なくないため、自重せざるを得ない。
とかくこの世はままならず、無知は賢知を駆逐する。

「じゃ、平目にしようかな」
「かつおに辛子はいかがですか?
 福井の地辛子、ありますが・・・」
ニンニクほどではないにせよ、
辛子もまた、かつおに寄り添う。
しかも福井の地辛子ときちゃ、いくっきゃないでしょ。
はたして・・・宮城のかつおと福井の辛子の相性は
そこそこ仲睦まじいものがありました。

芋焼酎のうなぎから麦焼酎の丸西に切り替える。
生産者はどちらも鹿児島県・志布志市の丸西酒造。
初めて飲むこの麦もけっこう。
すっかり丸西酒造のファンになっちまいやした。

本日の山わさび和え。
その魚種を店長に問えば、平目との応え。
前回は真子がれいだったが平目もいいじゃないか―。
一も二もなく、お願いっ。
溜まり醤油が山わさびを蹴飛ばすところに
多少の難あれど、こういう肴は好もしい。

ビール1杯、焼酎2杯、つまみ2品の勘定は3410円。
立ち飲みとしては少々高くとも満足度もまた高い。
落ちる夕陽の陽射しを背中に浴びながら
数寄屋橋の交差点、
銀座スクランブルを東へ戻って往きました。

=つづく=

「立呑 三ぶん」
 東京都千代田区有楽町1-1-2東京ミッドタウン日比谷3F
 03-6273-3395