2020年7月3日金曜日

第2429話 もつ串とうなぎ串 (その2)

江東区・亀戸のうなぎ居酒屋、
「う成」に来たがカウンターに空きがない。
テーブルでの独り飲みに気がすすまず、ヨソへ廻った。
昨秋、訪れて好印象を抱いた「S」に赴くと
「今、いっぱいなんです」

同じ北口の「M」は入った瞬間、
経営者とみられる初老の夫婦にイヤな顔をされた。
一拍置いて店主の言うことには
「コロナのせいで新規のお客は受けてなくて・・・」
その気持ち判らんでもないからうなずいて引き下がった。

しばらく界隈をさまようものの、徒労に終わる。
腹を決めて「う成」に舞い戻った。
カウンターに空きがないのは承知の上、
先刻のアンちゃんに
「2階に上がるネ」
「ハイ、ご一緒しますっ」

コロナ対策のためか、二人掛け小卓がズラリ並んでいた。
うん、これなら独り飲み@テーブルも抵抗がない。
此処も生はサッポロ黒ラベル、中ジョッキを所望した。
お通し(275円)に妙なモノが出て来た。
枝豆に何か混ぜ込まれている。
つまんでみると辛子高菜だ。
両者を炒め合わせた珍品は当店の名物で
単品メニューにも載っている。

ジョッキをお替わりして通したうなぎ串は
蒲の穂焼き(418円)・肝(319円)・
ハニーブルーチーズ(385円)の3本。
蒲の穂はうなぎを割かずに
中骨だけを抜き去って筒焼きにしたモノ。
言わば焼きうなぎの原点に立ち戻ったスタイルで
蒲焼きの語源ともなっている。

蒲の穂はユニークなアイデアながら
一口味わうと、うなぎそのものが泥生臭い。
もっとヒドかったのは肝である。
泥生臭さに拍車がかかり、食べ終えるのに四苦八苦。
必要以上にデカいもんだから苦しさも倍増。
コイツは紛れもなく中国産だ。
結局、ハチミツとブルーチーズで匂いを紛らわせた、
3本目がどうにか真っ当だった。

口直しと匂い消しを兼ねて芋焼酎のロックを1杯。
おっとぉ、ちょうど一週前に
日比谷ミッドタウンの「三ぶん」で立ち飲んだ、
うなぎがあるじゃないか―。
それもそのはず、ここはうなぎ屋だもんなァ。 

書き忘れたが当店の箸袋はおみくじの役割も担う。
J.C.が引いたのは中吉だった。
うなぎを食べ終えての心境は末吉を引いたかの如く。
いや、末吉どころか、ほとんど凶だヨ、これじゃ。

「う成
 東京都江東区亀戸5-11-1
 03-5875-3346