2020年7月16日木曜日

第2438話 あぶらぼうずの衝撃 (その4)

平井の「焼きどころ とんとん」。
あぶらぼうずを堪能したあとは林SPFである。
焼きとんに使われるモツ類もSPFと聞いて
ハラミ(220円)を塩、
レバー(180円)をタレで1本づつオーダーした。

串は2本からの注文だが組合わせは自由。
同一である必要はない。
浅草の「がってん」、綾瀬の「大松」には
ぜひ見倣ってほしいものよのぉ。

ビールのあとは長崎県・壱岐島産の麦焼酎・雪洲。
壱岐の麦は好き、もちろんロックで―。
うむ、これも美味いや。
このところ、優良な焼酎にたびたび遭遇するのは
日頃の行いの賜物であろうヨ。

焼きとんは不揃いに串を打たれ、
たこブツならぬ、もつブツ状態。
さっそくハラミをバクリ。
何だこりゃ?  ナンコツかと思われるほどに硬い。
すぐさま隣りに横たわるレバーに手を延ばす。
おっと、さすがにレバーは硬くないけれど、
噛んでるとスジが歯に当たり出した。
スジ取り不十分に加えて焼き過ぎでもある。

どうやら此処の店主、
サカナの捌きは一流なれど、肉系はアカンわ。
料理をあまり得意としない主婦の家庭料理レベルだ。
あぶらぼうずは予期せぬ収穫だったが
何かもう一品ほしい。

焼き魚は
本ししゃも いわし かます めひかり 鮎開き
といったラインナップで相対的に煮魚より安めの価格設定。
でも、ここはサカナじゃないだろ、ポークだろ。

熟慮の末、カツ煮のハーフポーションがOKなので
それをお願い。
カツ煮だって煮ものの端くれ、
得意種目だから何とかなるハズという皮算用だ。

はたして・・・これもアカンかった。
ロースではない肩ロースが肩く、もとい、硬く、
しかも焼きとん同様、火の入れ過ぎで煮汁も濃過ぎ。
ボリュームだけは必要以上にあり、
フルで頼んじまったらギヴアップ必至だネ。

本日は返す返すもあぶらぼうずに尽きる。
これだけですごく儲かった気分になった。
人はこの事象を、坊主丸儲けと言うそうな。

=おしまい=

「焼きどころ とんとん」
 東京都江戸川区平井3-24-9
 03-5875-3358