2020年7月10日金曜日

第2434話 銀座と日比谷を往ったり来たり (その5)

T原サンを伴って本日二度目の「立呑 三ぶん」。
入店の際、視線のぶつかった店長の目がまん丸だ。
出て来た言葉は
「いらっしゃいませ~!」だが
心のうちでは
(エッ? またアンタでっか!)に相違ない。

ほとんどルーティンと化した、
昔ながらのアサヒ生ビールで乾杯。
相方が通したつまみは、いぶりがっこ&クリームチーズ。
いぶりがっこはいわゆる沢庵の燻製。
いぶりは燻りで、がっこは漬物を指す秋田の方言。
県南部、湯沢市の漬物店が製造・販売を始めたのは
先の東京五輪の年だから歴史は比較的浅い。

クリームチーズとの相性よろしく焼酎がほしくなった。
よって4時間前に飲んだ深海うなぎを再び。
相方は信州のりんごサワーに移行している。

当方は長崎名物のハトシを所望。
あちらが秋田ならこちらは長崎だ。
ハトシは広東語で蝦多士(ハートーシー)、
英語でシュリンプ・トースト。
トーシーはトーストを音訳しており、
海老のすり身をパンで挟み揚げにしたものである。

ハイカラな印象と裏腹に
ハトシは百年以上の歴史を刻んでいる。
香港・台湾・シンガポールでも食べた記憶がある。
ビールの合いの手、小腹が空いたときのスナック、
どちらにも効力を発揮して
優れたユーティリティー・プレイヤーといえよう

「日東コーナー」ではちょっとつまんだ程度。
追加の吟味に入る。
T原サンが発芽ニンニクの天ぷらを択んだ。
緑の芽吹きと髭もじゃの根っこを
上下に蓄えたニンニクの丸揚げは
J.C.にとっても見つけりゃ頼む”の必注品である。

フランス産発酵バター、
エシレ使用のじゃがバターも通した。
じゃがバターに塩辛を添える居酒屋が
あとを絶たないが、あのスタイルは好まない。
手造りの良質な塩辛なら歓迎するけど、
出来合いは生臭さを生じること多々ある。

品書きに鮎の子うるかを発見した。
いかの塩辛の代用品として
鮎の真子の塩辛を試してはみたものの、
じゃがバターにはあまり合わず、
そのままうなぎの友とする。

昼同様に麦焼酎・丸西で締めた。
アサヒ生→深海うなぎ→丸西
ナントカの一つ覚えじゃあるまいし、
同じ酒を同じ順序で飲んでるネ。

銀座と日比谷を往ったり来たりの平和な一日は
かくしてお開きとなりにけり。

=おしまい=

「三ぶん」
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