2020年7月8日水曜日

第2432話 銀座と日比谷を往ったり来たり (その3)

再び銀座を歩いている。
夕食まで少々の時間があり、タイム・キリングのため、
GINZA SIX(旧松坂屋) に立ち寄ると
入館の際、案内係に呼び止められた。
「お客さま、マスクはお持ちでないでしょうか?」
「いや、アメリカの大統領みたいに着けない主義でネ」
なあんて言えるわけもなく、ポケットから取り出して装着。
わずらわしいなァ、ったく。

いや、マスクはホントにうっとうしいヨ。
しかし、今の世の中、着け忘れると人非人扱いされちまう。
屋外ならまだしも電車内なんか、蛇蝎の如くに忌み嫌われる。
J.C.はマスクで口は覆うが鼻は出す。
感染するリスクあっても感染させることはないからだ。
これなら文句を言われる筋合いはない。
とにかく鼻の穴をふさぐと息苦しくてしょうがないヨ。

待合せたのは銀座1丁目の「日東コーナー 1948」。
以前は晴海通りと昭和通りの交差点、
北東コーナーにあって「Nitoh Corner」を名乗っていた。
15年も前に上梓した自著「銀座を食べる」では
銀座の名店二百選に選出し、
”良心的な価格で実のある料理を食べさせる” と評した。
再開後は初訪問である。

今宵の相方はかつて一緒に仕事をしたT原サンで
とあるミッションの打ち合わせを兼ねての会食。
サッポロ黒ラベルの生で乾杯する。
上品な店だからジョッキではなくグラスだ。

メニューを開き、相談しながら料理を択ぶ。
タパスやピンチョスが並んでいるものの、
スペイン色がそれほど濃くはなく、
どこか取り留めのない印象を受けた。

ローストビーフがおすすめながら
5人前だったかな? 数量限定だった。
この料理はある程度、
肉塊が大きくないと本領を発揮できない。
よって、見送ることにした。

それにしてもラインナップが多種多彩を超え、
オルモストしっちゃかめっちゃか。
フィッシュ&チップス、バッファロー・チキン、
ポークカツレツ・ミラネーゼ、スパゲッティ・ナポリタン、
バターチキン・カレーと何でもござれの無国籍だ。

熟慮の末、
アペタイザー3種盛り 本日のピンチョス
炭火串焼き4種盛り
以上3点を
チリのシャルドネとともに通した。

=つづく=