2020年7月17日金曜日

第2439話 煮魚を語る

平井の「焼きどころ とんとん」で食した、
あぶらぼうずの煮つけに触発され、本話は煮魚のハナシ。
まず初めに主婦でも主夫でもバチェラーでも
キッチンに立つことを厭わぬ方々に進言したい。
焼き魚より断じて煮魚ですと―。

なぜか?
料理そのものが簡単、後片付けも簡単。
匂いがそんなに出ないし、脂まみれにもならない。
そして何よりも失敗が少ない。

サカナにそれぞれ個性はあれど、
ほとんどの場合、煮汁は水と醤油と日本酒と砂糖。
加えて生姜の切れ端、それだけである。
知り合いの料理人によれば、
味りんを使うとサカナの身が硬くなるそうだ。
以来、わが家から味りんが消えた

エッ、落とし蓋?
プロじゃないんだから、そんなの要らない。
アルミホイルがあれば、モア・ザン・イナッフだ。
そして必要不可欠なのが料理用タイマー。
100円ショップで買いましょう。

詳細なレシピはネットのお世話になっていただいて
よい機会につき、煮魚のマイ・ベスト5を紹介したい。
くだんのあぶらぼうずは
相当の美味ながら入手困難なので外した。

① かれい
② えい(かすべ)
③ 穴子
④ かさご
⑤ 皮はぎ
 次点:さんま

1位のかれいは何たって東のなめた、西のめいたが双璧。
ほかに真子、松皮、黒、赤もよく、
まっ、早いハナシが何でもいいんだ。
頭の向きが逆なれど、平目はもちろん文句無し。

1~5位まで白身ばかり並んだが青背を嫌うわけではない。
さばの味噌煮、いわしの梅煮、どちらもけっこう。
ただ、素人にはちょいと難しい。

J.C.がよく作るのはさんまの有馬煮。
有馬煮は実山椒がなければ不可能。
安く手に入ったとき、
まとめて甘辛い醤油煮にしておく。
一度仕込めば冷蔵庫で数年もつので重宝する。
もっとも数ヶ月で食べ切るけどネ。

本文を綴ったのは昨日の夜だが
夕刻、あぶらがれいの切り身を松坂屋で買ってきた。
これからキッチンに立ち、煮つけにするつもり。
滅多に扱わない魚種ながら
近縁のからすがれいよりマシだった記憶がある。
それでは、アレ・キュイジーヌ!