2011年9月5日月曜日

第133話 見まもる歓び

男はW杯、女は五輪、
サッカー界はどちらも予選の真っ盛り。
見逃さないために期間中は
余計な飲み会・食事会を封印しているが
今夕のなでしこVS豪州はライヴで観ることかなわず。
5連戦の山場となるゲームだけに気がかりである。
北朝鮮に足元を救われて
牝カンガルー軍団は死に物狂いで向かってくるだろう。
ぽっちゃりデバナがパワフルに活躍しそうだ。

オセアニアを離脱し、アジアの一員に組込まれてから
豪州は日本の永遠のライバルになりつつある。
少なくとも女子サッカーにおいてはそうであろう。
中国・韓国・北朝鮮がどこまで両雄、
もとい、両雌との差を詰めてくるかが当面の焦点。
W杯における日本の栄冠は
アジア諸国に大きな刺激を与えたのだ。

それにしてもなでしこジャパンは
すっかりメジャースポーツの仲間入りを果たした。
NHKはじめ、メディアの注目度が格段に上がった。
何よりも、誰よりも、彼女ら自身が
身の上の激変ぶりに驚いているに違いない。

ひるがえってアジアの男子サッカーは日豪韓の三つ巴。
韓国には水を空けた感が無きにしも非ずで
現時点では日豪が双璧だろうが
大韓民国は必ず復活してくる。
それが韓国サッカーの伝統であり、底力というものだ。

おそらく彼らは日本に差をつけられたと思ってはいまい。
たまたま直近のゲームが不デキだった、その程度の認識だろう。
またそう思ってもらったほうが日本はラクだ。
日本にコテンパンにやられたという自覚を持たれて
目の色を変えてこられると、恐ろしいのが韓国である。
アジア杯でもPK戦に持込まれた、
あのド根性を忘れてはならない。
なんか、往年の9回裏のPL学園みたいだったナ。

明日はアウェイのウズベキスタン戦。
協会内にはドローもやむなしなどとホザく、
のんきな父さんも散見されるが
アウェイだろうがウズベク相手のドローはあきまへん。
向こう10年は日本に手も足も出ないと、
骨の髄まで知らしめることが肝要だ。

ところで先週の北朝鮮戦はすばらしいゲームだった。
観ているほうはハラハラというよりイライラしたろうが
あれは苦戦でも何でもなく、ゴールマウスに嫌われただけのこと。
バスケットやアメフトのようにポコポコ点が入らないのが
サッカーの魅力で、だからこそドラマが生まれ、番狂わせが生じる。
むしろああいう試合運びができるようになったチームの成長を
余裕を持って見まもることが大切なのだ。

0-0で引き分けても賞賛に値するゲームだった。
それが1-0の結末は僥倖もいいところで
日本チームに地力がついてきた証左だ。
MVPは文句ナシに長谷部。
日本サッカー史上、いまだに
釜本邦茂を超えるストライカーは出現していないが
史上最高のキャプテンは長谷部誠でキマリだろう。

ザックJAPANといい、なでしこJAPANといい、
彼らの熱き戦いを見まもることのできる歓びを
肌で感じる晩夏の日々である。