2011年9月30日金曜日

第152話 恋は小岩ではしご酒 (その1)

自慢じゃないが都内23区内であれば
どこへでも出没している。
もっとも出没率の高いのは
千代田・中央・台東・文京の4区。
ここはわが縄張りである。
毎夜どこかに出張っており、
パトロールを欠かすことはまずない。

続いて
墨田・江東・港・新宿・豊島・葛飾の6区。
隅田の流れのほとりは昔からなじみが深い。
豊島も学生時代のホームグラウンド。
葛飾は何たって立石が控えているからね。

どこの街へ行くのかって?
もちろん各区の盛り場でげすよ。
ちょっと紹介してみましょう。

千代田・・・神保町・神田
中央・・・・・銀座・日本橋
台東・・・・・浅草・上野・御徒町
文京・・・・・本郷・湯島・千駄木


墨田・・・・・吾妻橋・玉の井
江東・・・・・門前仲町・森下
港・・・・・・・新橋・麻布十番
新宿・・・・・神楽坂・四谷
豊島・・・・・大塚・駒込・池袋
葛飾・・・・・立石


まあ、こんなところで飲んでいるワケです。

ところで江戸川区・小岩は
実にディープな飲み処なのになぜか縁が薄かった。
川の向こうは千葉の市川市。
距離的問題の影響もあったが
初めてはしご酒に訪れたのは2年半ほど前。
このブログの前身、「食べる歓び」にそのときのことを
書いたので少々引用してみる。

坂崎重盛著「東京煮込み横丁評判記」を頼りに
お次は線路の反対側、北口の「大竹」である。
重盛翁によると、小岩でもつ焼き&もつ煮込みとなれば、
真っ先に「大竹」であるらしい。
太鼓判を押されては立ち寄らぬわけにはまいるまい。


16時半の開店と同時に席が埋まってしまうらしいが
どうにかなるだろうと、タカをくくって向かった。
ところがどうにもならなかったのである。
敵陣に一歩たりとも踏み込めなかったのである。
この世に神も仏もあったものではなかった。
というのは大げさで、何のことはない、
その日が定休日に当たっていただけのこと。


てなわけで初回は空振り。
その後、訪問ははたしたが、とある夜再び、
名横綱・栃錦のブロンズ像待ち構える小岩駅に降り立った。

=つづく=