2011年9月21日水曜日

第145話 再び伊集院サン (その2)

伊集院静サンがらみのネタ、”飲む・打つ・買う”の続き。
今日は”打つ”にまつわるハナシである。

”打つ”となれば、博奕に決まっている。
この国はどうもギャンブルにはヘンにナイーヴな国で
アレルギー反応がきわめて強い。
そのクセ、パチンコなんぞが
世にはびこっているのだから始末に悪い。
あれはギャンブルではなかろう。
じゃ何だってか?
時間を持て余している人間のヒマつぶしに過ぎない。

競輪・競艇はやったたことがないが
競馬だけははるか昔にしていた。
初めて馬券を買ったのが1970年の有馬記念。
スピードシンボリーダテテンリュウで確か5-6だったかな?
連複で7.5倍はついたと記憶している。
同レースに出走し、1番人気になりながら
3着に敗れたアカネテンリュウが好きだった。

長い海外生活のため、帰国したときはまったくの浦島太郎。
馬の名前もチンプンカンプンで
場外馬券売場に出向いたものの、
馬券の買い方が判らず、それを機会にスッパリ足を洗った。
今では月に何回か麻雀に興じる程度だ。

さて、伊集院サンであった。
週刊現代9月17日号の彼のコラムから、
数行を引用させていただこう。
麻雀にちなんだハナシにつき、興味のない方はまたアシタ。

先日、配牌三巡目に、

 東 東 南 南 西 西 北 北 白 白 發 發

という手役になった。
は白板、は一ピン)
河の和了牌を見逃し、をひたすら待った

 東 東 南 南 西 西 北 北 白 白 發 發

となったのが海底前で河にが一枚。
「誰かどこからでもいいからを持って来い!」


ここで文章が終わり、翌週号でも音沙汰ないから
最後まで上がれなかったに違いない。
しかし、ここでJ.C.は思いましたネ。
こんなに我慢強い打ち方は到底、マネができないと―。

自分だったら風牌が出たら即座にポン。
が出た場合はどちらでも初牌なら1度見逃し。
例えばが出ても初牌なら見送るが
そのあと2枚目の、あるいは初牌のが出たらポン。
当然、その際にはの対子を落としてゆく。
そうして小四喜+字一色のダブル役満に狙いを定めるのだ。
いくら三巡目とはいえ、残り3枚しかない
ひたすら待ち続ける忍耐力は見上げたものだが
打ちスジとしてはよろしくない。

だが、達人がなぜ鳴かずに七対子を目指したのだろう。
そこで思い当たったのが以下の3点。


 ・ポンを2回もすれば残りの字牌は抑えられて出て来ない
 ・役満には責任払いが生じることがあり素人をいたぶりかねない
 ・牌をさらさず字牌7種をきれいに2枚ずつ並べる美しさに溺れた


そんなところだろうが、ここには男の美学がある。
そしてそこに夏目雅子は惚れたのだ。

いや、ご立派です。