2012年6月18日月曜日

第340話 陽のかげる坂道 (その2)

しばらく咳と微熱に悩まされたが
やっとこの週末あたりから体調が回復。
結局、半月以上も患ったことになる。
その間、クスリを服用せず、
医師の診断も受けずにがんばってみたけれど、
自然治癒は時間が掛かるもんですなァ。
歳をとったせいでもあろうがネ。

高輪台から日暮れた坂道を品川へ降って行った。
ハカセ&ハーピストと囲む夕餉の卓は
GOOSホテル内の「大志満 高輪店」である。
手元に当夜の献立があるので紹介しよう。
判りやすいように補筆を施した。

=お献立=

先付  新じゅん菜とおくら 笹小鯛の蓮根巻 稚鮎と蕗
吸物  干し貝柱と枝豆のしんじょう
造り   真鯛・まぐろ赤身・甘海老
煮物  治部椀
焼物  鰆の海老味噌焼 石川小芋 菖蒲茄子
酢物  柳蛸とうるいのみぞれ酢
お食事 桜海老の炊き込みご飯 焼麩味噌椀 香の物
お食後 マスクメロン

ザッとこんな感じであるが振り返って先付がやや退屈。
しんじょうのお椀はとてもよかった。
造りは陣容、素材ともに可も不可もないが
ニセわさびがもの悲しい。

加賀料理といえば、ピンとくるのは治部煮。
だけどお椀に鴨胸肉1片だけはやや淋しい。
もっとも1片が正しい姿なのかもしれない。
鰆はパサついてジューシー感に欠けた。

おろしを使ったみぞれ酢で口内がリフレッシュされる。
桜海老香り立つ炊き込みご飯は秀逸だ。
メロンはメロンであって、それ以上でも以下でもない。
とにかく楽しい晩めしであった。
ごちそうさま、ハカセ!

夜はまだ浅く、当然飲み直しである。
最上階で夜景を愛でながらと上がってはみたものの、
当夜は貸切で一般客はオフリミット。
ホテル・パシフィック時代に何度か訪れたラウンジにつき、
いつか見た景色を懐かしもうという目論見は
肩透かしに終わる。

ふむ、どうしたものだろう。
頭の中の飲み屋リストをパラパラとめくる。
ひらめいたのは駅舎の反対側の東口だ。
いわゆる山手線の外側だが
そこに狭い一画ながら時代から取り残された、
ノスタルジックなエリアが今もあるのだ。
大井町や立石にも似たディープなスポット。
ここを知ってる人間はそうはいやせんぜ。
もちろんツレの二人に異存があるはずもなかった。

「大志満 高輪店」
 東京都港区高輪3-13-3 品川GOOS 3F
 03-3441-8080