2012年6月29日金曜日

第349話 心の窓にピーナッツ

ザ・ピーナッツのオネエちゃんのほう、
伊藤エミさんが逝ってしまった。
6月15日に亡くなっていたことが
一昨日の27日にわかったのだ。
何の関連性もないが27日はJ.C.の誕生日。
この歳になるとバースデイなど、
めでたくも何ともないけれど、
彼女の訃報が届いたこの日を生涯忘れまい。

ザ・ピーナッツは心底好きだった。
いや、今でも好きである。
彼女たちのCDを聴きながらコレを書いている。
「銀色の道」から「東京の女」に移行したところ。
「東京の女」はかつてダンナだった沢田研二の作曲。
歌唱部分よりイントロとインタールードが
秀逸な風変わりなナンバーだ。

1959年にピーナッツがデビューしたときのことは
今もはっきりと覚えている。
当時は大田区の大森海岸に棲んでおり、
下町風に家々が密集した路地裏を歩くと、
聴こえ来るBGMのパターンは3通り。

午前中・・・・創価学会員の読経(南無妙法蓮華経)
昼から夕・・・ピーナッツの「小さい花」と「情熱の花」
夕方以降・・ラジオのナイター中継・巨人戦

小学生時代のマイ・アイドルはまごうことなく、
裕次郎とピーナッツであった。
いつの頃からか日曜夜の楽しみがTVになり、
まずは18時から6チャンの「てなもんや三度笠」。
続いて18時半は4チャンの「シャボン玉ホリデー」。
1時間おいて20時からは1チャンの「若い季節」。
Oh, unforgettable my good old days !

ここでオネエちゃんの死を悼みつつ面影を偲んで
ザ・ピーナッツ・ナンバーのマイ・ベストテン。

① 恋のバカンス・・・聴くたびに胸の奥が甘酸っぱくて
② さよならは突然に・・・絡み合うメロ&ハモをぜひ!
③ 悲しきタンゴ・・・アズナブールの「ラ・ボエーム」を連想
④ 風のささやき・・・巨匠・ルグランも聴いて満足
⑤ ふりむかないで・・・’62年のあの夏がよみがえる
⑥ 恋のオフェリア・・・これぞ真実のデュオ・ドラマティコ
⑦ 可愛い花・・・蕾ふくらみかけし二輪の花
⑧ ローマの雨・・・愛の泉に今は竜馬とシロ犬が
⑨ 情熱の花・・・突如としてエリーゼを襲う闘牛士
⑩ シェルブールの雨傘・・・キミたちこそがモナムール
次点 リオの女・・・名古屋生まれがリオでアウフヘーベン

書いていると指先はとどまるところを知らず、
(その4)くらいまで引っ張っちゃいそうだから手短かにまとめる。
「恋のバカンス」はベストワンが不動の指定席。
日本歌謡史に燦然と輝く不朽の名曲は
サザン・オールスターズに多大な影響を与え、
ロシアでもいまだに庶民に愛され続けて歌い継がれている。

J.C.の心の窓にはピーナッツという名のともしびが
永遠に灯り続けていくことでしょう。
♪ 心から好きだよ ピーナッツ 抱きしめたい ♪
あゝ、目をつぶれば二人の声が耳にこだまする。
「おとっつぁん、おかゆができたわよ」―
そうかい、そうかい、肇とっつぁんの代わりに礼を言うよ。
ありがとう。
そして安らかに。