2012年9月19日水曜日

第407話 文学青年と夜明かしの巻 (その2)

情欲の魔界を突っ切り、花園通り脇の「森田屋」へ。
ここでは生ビールのあとにコーヒールンバをたしなんだ。
奇妙な名前のドリンクはコーヒー豆を焼酎漬けにし、
豆のエキスを抽出したもので
あまりコーヒーを飲まないJ.C.だが、なかなかにイケる。

 ♪ 昔アラブの 偉いお坊さんが ♪

関口宏の奥サンの顔がまぶたに浮かんだものだ。
酒の肴は秋刀魚刺しともつ煮込み。
この店では煮込みに豚の小腸を使用する。

夜は長い。
長いが今宵は若者の社会勉強のため、あちこち連れ回すつもり。
先を急ぐ。
「森田屋」から徒歩3分の「正直ビヤホール本店」に到着。
ひさご通りの分店にはときどき顔を出すが
こちらはトンとご無沙汰だった。
相方には名物のカレーライスをおっつけて、こちらは生ビール。
おっと、いけネ、分店と違って本店の生は旨くないのを忘れてた。
隣りの常連客もホラ、瓶を飲んでるじゃん。
何とか1杯だけやっつけて即移動する。

お次は炒めスパゲッティの「カルボ」。
店名通りにカルボナーラが主力商品になっている。
ランチの連載を抱えている以上、
かねがねチェックしておきたい1軒だった。

小(200g)・中(400g)・大(600g)と3サイズあるなか、
カルボナーラとミートソースの小を頼み、
そのほとんどをブンガククンに頑張ってもらう。
J.C.はここでも生ビールを飲みつつ、
相方の健闘ぶりを眺めていたのだった。

さて5軒目はホッピーロードの「正ちゃん」。
緑茶ハイをと思ったものの、
気を取り直してまたもや生ビール。
たぶんそのあとで緑茶ハイのハズ。
ブンガククンにも緑茶ハイをすすめたんじゃなかったかな?
アテは身欠きにしんの炊いたのと名代の牛スジ煮込みだ。
さしもの大食漢もさすがに食べきれず、これはテイクアウト。
さもありなん。

そうしてこうして田原町の隠れ家にたどり着いたときは
すでに日付けが変わっていたんじゃなかったかな?
やたらに”かな?”が多いのは酩酊状態を如実に表している。
ここでは吉兆宝山のロックをお替わりしながら
カラオケ三昧ときたもんだ。
相方はまだ若いのに懐メロ・オンパレード。
それも相当古いヤツばかり。
東海林太郎・楠木繁夫・藤山一郎、挙句のはては

  ♪ 土手の柳は 風まかせ 
    好きなあの子は 口まかせ ♪

高田浩吉の「大江戸出世小唄」だもんねェ、
近頃の東大はいったい何をおせえてんだろか。

夜がしらじらと明け染める。
酔いにまかせて、というよりも酔い覚ましに上野広小路まで歩いた。
(二人ともタフだヨ、ジッサイ)
交差点で手を振ったとき、腕時計は5時30分を指していましたとサ。

「正直ビヤホール本店」
 東京都台東区千束4-27-8
 03-3874-0520

「カルボ」
 東京都台東区浅草3-42-6
 03-5603-0203 

「正ちゃん」
 東京都台東区浅草2-7-13
 03-3841-3673