2012年9月26日水曜日

第412話 鳥にも動かぬヤツがいた!動物園こそわが楽園 Vol.3

昨日に引き続き上野動物園シリーズ。
哺乳類でもっとも動きが緩慢なナマケモノを紹介したが
鳥類にもめったに動かないヤツがいた。
みなさんはハシビロコウをご存知だろうか?

くちばしの広いコウノトリという意味のハシビロコウ。
ナマケモノのふるさとが中南米なのに対し、
こちらはアフリカである。
スーダン・エチオピアからザンビア辺りにかけて
アフリカ中央部に広く生息している。
生息しているが数は少ない。

Seeing is believing  まずはご覧あられたし。
不気味さと愛嬌を兼ね備えて

数年前に同じ上野動物園でこの鳥に遭遇したとき、
しばし言葉を失った。
この世のものとも思えないというか、
ロボットか何かの作り物に見えたし、
思わずアニメの世界を想像してしまった。
今まで出会った生きものの中で
もっとも生きものらしくない生きものだったのである。

突っ立ったまま動かないのは
獲物であるサカナに気配を感知されないため。
水辺で小魚を狙うサギ類同様の行動パターンだ。
ただし、ハシビロコウが狙っているのは
肺魚を代表格とする大型魚。
肺魚は肺で呼吸するので数時間に一度は
息継ぎのために水面に浮上してくる。
そこをバカデカいくちばしでパクリとやって丸呑みしてしまう。
サギのように細く長いくちばしで突っつき取るのではなく、
感覚としてはペリカンみたいにガバッとやるようだ。

ネットの画像でアヒルをくちばしで挟んでるのを見てブッタマげた。
何と言ってもくちばしこそがハシビロコウの一大特徴。
民族衣装のオランダ女性が履く木靴そっくりではないか。
アヒルに限らず自分より小さい鳥にはチョッカイ出すことしきり。
動物園でも人間の子どもを見とめると、
ノコノコやって来ては威嚇するらしい。
小さいお子さんをお持ちの方はぜひ来園してお試しを!
ついでにもう1枚
アレッ! 動いてんじゃねェか! ってか?
違うの、違うの、コレは別の個体なのっ。
心なしかくつろいだ表情を浮かべております。

現在、上野には5羽のハシビロが常駐中。
運がよければ羽ばたいたり、
まれには飛ぶシーンが見られるそうだ。
J.C.の場合はかれこれ十数回、
拝顔の栄に浴しているものの、
歩いてるとこと笑ってるとこしか見たことありませんがネ。