2014年1月28日火曜日

第761話 みちのくの麺処 盛岡へ (その5)

昼間、本店でフラれた、じゃじゃ麺の「白龍」。
その仇を夜に川徳デパートの分店で討つ。
大晦日ということもあり、客の影はまばら。
孤独な若者や買い物帰りの家族連れしかいない。
まあ、混んでるよりも空いてるほうがいいけどネ。
メニューはこれだけ
ここは(小)でいくしかない。

そうして届いたのがコレ。
薬味はおろし生姜と紅生姜
麺は何の変哲もないうどんだ。
品書きの脇に美味しい食べ方を伝授するパネルがあった。
卓上備え付けのニンニク・ラー油・酢を好みに加え、
麺・味噌とよく混ぜ合わせて食せよ、とのお達しである。

味噌をなめてみると甘さよりも塩辛さが舌をヒットした。
スパゲッティ・ボロネーゼよろしく、よく混ぜてみる。
その写真を撮影したものの、見映えがよくないので割愛。

一箸味わってみて・・・何だかなァ。
ハッキリ言って中国料理店のジャージャー麺のほうが好きだ。
ニンニクや酢を足してみてが、やはりピンとこない。
しかも「直利庵」のあとでほぼ満腹状態、
(小)すら完食できなかった。

完食できないと問題が生ずる。
メニューにあるちーたんたん(スープ)がいただけないのだ。
カウンターには生玉子が置かれていて
食べ終わったじゃじゃ麺の皿に客が玉子を割り入れないと、
ちーたんたんを注いでもらえない。

このシステムはよくないよォ。
そう思いつつも、あきらめるほかに手立てがない。
不満を抱えたまま、立ち去る盛岡だった。

仙台に戻る途中、乗り継ぎで降りたのが北上駅。

 ♪ 匂い優しい 白百合の 
   濡れているよな あの瞳 
   想い出すのは 想い出すのは 
   北上河原の 月の夜  ♪
       (作詞:菊地規)

「北上夜曲」が流行ったときは
まだ小学校の低学年だったが、よお~く覚えている。
マヒナスターズとダークダックスの競作が
昭和36年の東京にこれでもかと流れていた。
ほかにも菅原都々子が歌っている。

曲の出生はみちのく。
岩手と青森出身の学生が作詞・作曲した佳曲は
歌声喫茶を中心に広まり、レコード会社が目をつけて全国ヒットする。

とにもかくにも、夜更けの北上にやって来た。
さあ~て、どうしよう?

=つづく=

「白龍カワトク分店」
 岩手県盛岡市菜園1-10-1 パルクアベニューカワトク B1
 電話ナシ