2016年10月6日木曜日

第1463話 初めて歩く土浦の街 (その3)

初めて歩く土浦の街。
時刻は17時半になった。
目星をつけた「食堂 亀屋」に舞い戻る。
しめしめ、店内に灯りが点って先客が1名。
渇いたノドが麦酒を熱望している。

かつ丼は濃い目で甘じょっぱい味付けだろうな・・・。
そんなことを想像しながら引き戸を引いて入店。
今朝のスポーツ紙を手に取り、大きなテーブルに席を占める。
厨房内に人影を確認したがホールに接客係の姿はない。

すると、厨房から出て来た料理人がすまなそうに
「すみません、夜は営業していないんです」
「エエ~ッ! そうなの?」
「昼だけなんですヨ」
当方、ビックリしながらガッカリした。

何のこたあない、この店は隣りで仕出し弁当も商っており、
料理人はその仕込みに勤しんでいたわけだ。
するってえと、店内の先客は?
彼は客ではなくスタッフで賄いを取っていたところ。
なるほど、ナットクの巻。

仕方ないから「亀屋」から徒歩1分の「エルベ」に向かう。
独りでドイツ料理もないもんだが
アタマの中はアサヒビールとかつ煮から
ドイツビールとソーセージに切り替わっている。
変わり身ならぬ、替わりアタマの素早さよ!

ところがギッチョンチョン、「エルベ」は扉を閉じたまま。
開店前なのか、定休日なのか、休業中なのか、
はたまたツブれちゃったのかも判らぬ状態。
いやはや、何てこったい!

こうなったら残るは2軒。
そば屋か天ぷら屋の二者択一である。
天ぷらだとサクッといけなそうな予感、
日本そばの「吾妻庵総本店」を選択した。
歴史を感じさせる建物にも惹かれたし・・・。
こりゃ入ってみたくもなるわな
暖簾をくぐったのは18時前、先客はゼロである。
概して土浦は人が少ない。
いや、クルマはそこそこ走っているから
車内に最低一人は居るわけで、少ないのは歩行者なのだ。
もっともこれは日本国中、都会以外はどこにでも言えること。

よおく冷えたビールを飲みながら品書きに目を落とす。
そこには”創業百四十余年 吾妻庵総本店”とあった。
さすれば、幕末か明治初頭の開業ということになる。
よくもまあ、生き残ったものよのぉ。
気を引き締めて注文品を選ばねばならぬ。

=つづく=