2016年10月26日水曜日

第1477話 そうだ、草加へ行こう! (その2)

埼玉県・草加市の千本松原を歩む。
並木道はほとんど遊歩道といってよい。
歩道にに架かる二つの太鼓橋は百年橋と矢立橋。
ともに江戸の昔からあったわけではなく、
たかだか四半世紀前に架橋されたものだ。

松並木の美しさに後押しされ、かなりの距離を歩いた。
草加・松原団地間の一往復に加え、
あっちフラフラ、こっちブラブラで2時間余り。
なのにちっとも疲れない。
これこそが”知らない町歩き”のダイゴ味だからだ。

時刻は14時半、にわかに空腹を感じ、
遅ればせながらのランチをとることとする。
駅前はともかくも旧市街に食事処は少ない。
ただ1軒のみ、目星をつけておいた店があった。
日本そば屋の「大村庵」である。

霞ヶ浦のほとり、土浦に出掛けたときもそうだったが
こういった土地柄に接すると、つい日本そば屋に入ってしまう。
午後に中休みを設けない店が多いため、
使い勝手のよさが大きな要因になっている。
ところが最近はちゃんと休憩をとる店が増えた。
かといって遅くまで営業するでもなく、そば屋の夜は浅い。

15時近くなのに「大村庵」の暖簾は仕舞われてなかった。
ここでも先客は皆無。
よくこれで商売が成り立つものよと余計な心配が先立つ。
まっ、時間が時間だから当然といえば当然か―。
ザッと品書きをながめて別段惹かれるものはない。
凍える真冬を除いて温かいそばまず食べないので
選択肢は”冷た系”に限られる。

結局は薬局、土浦の「吾妻庵本店」に続いて
頼んだのは天もりだった。
われながらまったく芸というものがない。
だけどネ、もりそばじゃ寂しいし、
冷やしたぬきやきつねは好みではない。
とろろにも食指が動かない。
やはり天ぷらがビールの友になってくれる、
天もりに落ち着いちゃうのだ。

天もりが整った。
アレ、そばは何処に?
写真では判りにくいが器が二段重になっており、
そばは天盛りの下に潜んでいた。
土浦の「吾妻庵総本店」における、
海老天&かき揚げ合体版といい、
地方都市の天もりは意外な姿で現れるネ、ジッサイ。

=つづく=