2016年10月13日木曜日

第1468話 八年ぶりの石神井公園 (その4)

「辰巳軒」の多種多彩なメニューに圧倒されている二人であった。
さすがにこの日はくだんのカレーライスは回避しておく。
J.C.ははあらかじめ心に決めていた一皿があった。
自著でもオススメとして選んだBセットを注文の巻である。
海老好きの相方はベツに迷う素振りも見せず、
予想した通りにエビフライを選択。
この二皿を分け合って
ビールのつまみとするのがわれわれの腹積もりだ。

真夏日に練馬の奥まで遠征してきたかいあって
冷たいビールが飛び切りの美味しさ。
のどチンコがオーガズムに達している。
あいや、失礼!

またたく間に大瓶がカラになって追加する。
すると二本目とともに運ばれたのが一つの小鉢である。
さてコレは何でしょう?
シチューでもないし、グラタンでもない。
まっ、ほとんどの読者がお判りでしょう。
そう、エビフライ用のタルタルソースでありました。
別鉢にたっぷり盛られているところが実にエラい!
洋食は常にこうありたいものですな。

追いかけて到着したエビフライを一べつして
O戸サンは満面の笑みである。
美しさにおいて完璧の盛付け
ぷっくりと肉付きのよいエビ2尾。
ポテトサラダを忍ばせて、きゅうりとレモンにエッジが立っている。
パセリさえもみずみずしいではないか!
こんな料理が不味いワケがありまっしぇん。

相方の大好物は何を差し置いてもエビフライ。
そしてこちらは理解に苦しむのだけれど、明太子である。
とにかく銀座あたりの洋食屋でもなかなかこうはイカないもの。
あらためて当店の優良性を認識した次第だ。

続いてイチ推しのBセットが登場。
何ともバランスに秀でたワンプレート
酒飲みにはたまりませんな。
一辺にほどよい脂身をたたえた焼き豚。
適度なサイズの一口カツ。
目玉焼きとスライスハムもありがたい。
もちろん、お味のほうも文句なしである。

いやあ、おかげで真っ昼間から
ビールをしこたま飲んじまっただヨ。
こんな店が近所にあったら
休みの日には浅い時間から入りびたること間違いなし。
ある意味、遠くにあってよかったのかもねェ。
まことにまことにご馳走様でした。

=おしまい=

「辰巳軒」
 東京都練馬区石神井町3-17-20
 03-3996-0425