2016年10月11日火曜日

第1466話 八年ぶりの石神井公園 (その2)

「J.C.オカザワの昼めしを食べる」から
「辰巳軒」のつづき。

誰が金を払ったか存ぜぬが
頼んでしまった安吾は自業自得としても
家主の檀一雄こそいい面の皮で
おそらく支払いも檀であったろう。
と到着するライスカレーが
庭の芝生の上に次々と並べられたという。

100人前のライスカレーを出前したのが
この「辰巳軒」と同じ並びで数軒先の「ほかり食堂」。
よくぞ2軒とも廃業もせず、
今日まで生きながらえてくれたものと
感心するとともに感謝までしたくなる。

ライスカレーはもはや死語なのだろう、
メニューにはカレーライスと記されていた。
600円也である。
豚肉がしっかりと入って
真っ赤な福神漬けが添えられ、なかなかにおいしい
 
そんな歴史を秘めたカレーよりも
推奨したいのがBセット。
ワンプレートにいろいろと盛合わされている。
一口カツ・焼き豚・目玉焼き・ロースハム・
ポテトサラダと盛りだくさん。
それに炒飯でおなじみの清湯スープにライス。
それぞれが丁寧に作られていて充実度抜群。

これに鳥の唐揚げが追加されるとAセット(850円)になる。
店を切り盛りするオジさんとオバさんが
人情味あふれる好い人たちだった。

というこである。

今回も八年前同様に
「辰巳軒」と「ほかり食堂」のハシゴを試みるつもりであったが
残念ながら後者は午後の中休みに入っており、
願いはかなえられなかった。
さすれば一極集中の一手あるのみだ。

当日の相方はのみとものO戸サン。
J.C.の発案に快く応じてくれたのだった。
西武池袋線・石神井公園駅の待合わせながら
池袋からの準急電車にたまたま同乗して到着した。

駅は前回と様変わり、すでに高架化が済んでいた。
景色の激変に少々とまどいながらも
無事に暖簾をくぐることができた。

=つづく=