2016年12月28日水曜日

第1524話 期待通りの焼きとん屋 (その6)

地番は上野ながら最寄りは御徒町の「おとんば上野店」。
豚の小腸付近の脂身をキクと名乗るクシを頼んだところ。
ふむ、コイツはシロ(小腸)とは異なる、
食感と風味を持っておるぞヨ。
空腹時であったなら間違いなくもう1本いっていたネ。

「味の笛」でW炭水化物を食したために
ガツ(胃袋)のキャパがいっぱいイッパイ。
もう打ち止めにしておこう。
ただし、酒は別腹。
燗酒に移行の巻である。

銘柄は灘の富久娘。
亀戸天神のおた福にちなんで命名された酒だそうだ。
先刻飲んできた北雪とは比べるべくもないが
ほどよい燗の付け方もあっておいしい。

その日の独り酒はこれにておしまい、帰宅した。
夜も更けてTVのスポーツニュースを観ていると、
やって来たのはおだやかな空腹感。
ベッドに入るにはまだまだ早い。

冷蔵庫にはハムもチーズもあるし、
野菜庫にはレタスがある。
サンドイッチでも作るべえ・・・そう思ったのもつかの間、
なんだかメンド臭くなってしまう。

キッチンの食品棚には荻窪の人気店のレトルトカレー。
ふむ、カレーねェ。
その隣りに見とめたのが日清のチキンラーメンである。
少年時代が懐かしくて年に1~2度食べたくなる袋麺だ。
湯を沸かして3分待つだけだからサンドイッチよりずっと手軽。
夜更けの即席ラーメンと相成った。

その数週間後、J.C.の姿を
足立区・北千住の街に見ることができた。
何となれば、焼きとん「おとんば」の本店が
北千住にあることを知ったからである。

宿場町通りに本店はあった。
煮込みで有名な「大はし」のちょっと先、
同じ並びで界隈には似たような焼きとん屋がほかに2軒。
気がつかなかったが
北千住はちょいとした焼きとんタウンである。

のみとものMサンと二人で訪問。
まずはくだんの赤星ラガーで乾杯となる。
イカをマヨネーズで和えたサラダ風がお通し。
あれ? 上野店ではお通しが出なかったんだが・・・。

=つづく=

「もつ焼き おとんば 上野店」
 東京都台東区上野6-7-13
 03-6803-0291