2016年12月29日木曜日

第1525話 期待通りの焼きとん屋 (その7)

上野店で味をしめた「おとんば」。
満を持してというわけでもないが
江戸四宿の一つ、北千住に乗り込んだ。

イカマヨ・サラダのお通しは取るに足らないものながら
つまみ類が整うまでの間、ビールの友とする。
最初に運ばれたのは
おまかせ四点盛りと称する豚もつの盛合せである。
メニューには三点盛りとあったが皿には四点盛られていた。

陣容はかくの如し。
上タン刺し、はつ漬け刺し、自家製はつハム、肝スモーク。
どれも悪くないけれど、焼きとんに勝るとはいえない。
ただ、スタートの一皿としてはなかなかに気が利いている。
必注とまっではいかなくとも推奨に値しよう。

焼きとんは基本のレバとシロ。
もちろんタレである。
上野店と変わらぬ仕上がりに安心する。
スタッフに訊ねると、ここを本店とは言わぬらしい。
上野同様に北千住店なのだそうだ。

ほかの料理を試してみたいので
焼きとんは基本の2種で止めた。
当方はあまりつまみを必要としないから
選択は相方に任せる。

選ばれたのは
明太チーズスティックとお好み焼き風ネギ玉子。
ふ~ん、昔ながらの焼きとん屋では
けっして見ることのできぬ2品だネ。
スタッフも若けりゃ客層も若いから
こういうものが好まれるのであろうヨ。

そもそも明太子なんていつ頃から食べられ始めたのかな?
調べてみたら朝鮮半島では18世紀に食べられていたそうな。
原料の唐辛子は朝鮮通信使が日本から持ち帰ったものだから
辛子明太子の誕生は当然、それ以後になる。

日本で商品化されたのは1907年。
しかし、一般の食卓に上るようになったのは1980年代のようだ。
われわれが子どもの頃にはなかったものネ。
以前にもこのブログで綴ったが
たらこ好きにもかかわらず、明太子はまず口にしないわが身である。

お好み焼き風ネギ玉子は
粉モノをあまり”お好みにならない”J.C.のこと、
二切れほどつまんで箸を置く。

上野店訪問の際みたいな高得点は与えられぬが
期待を裏切ることもない千住店ではあった。
ただ一つ、やや気に入らないのが焼きとんのタレ。
濃く甘く、せっかくの豚もつの持ち味に影響を及ぼす。

=おしまい=

「おとんば 北千住店」
 東京都足立区千住3-48
 03-3870-0108