2017年6月6日火曜日

第1638話 あらためて 平目フライに 惚れ直す (その4)

一夜明けて日曜日。
不可解を通り越し、あきれ返ったミスジャッジに
憤懣やるかたなき屈託を抱え、
それでも厨房に立つJ.C.でありました。

この日は軽いブランチのあと、
すぐに家を出て深川方面を散歩。
夕食のための買い物はせずに帰宅し、
シャワーを浴びたらイン・マイ・キッチンの巻。

食材はすべて昨夜の使い回しだ。
インドまぐろは自家製のヅケに
平目と帆立には軽く塩をし、
白ワインを振りかけてあった。

「サザエさん」の始まる頃には
いえ、観ちゃいないんだけどネ、
とにかくその時間には食卓に向かっていた。
気分はルンルンである。

あまり泡を立てずにビールをグラスに注ぎ、
グイッと飲ってから
おもむろにわさびをすり下ろす。
醤油はキッコーマンの”しぼりたて生”。
うむ、こりゃ前夜の上をいくな。
まぐろは生よりヅケに限りやす。

一しきり楽しんだあと再びキッチンへ。
下ごしらえを済ませてある平目と帆立をフライにした。
揚げ油はコーンオイル100%。
かれこれ30年の長きに渡って
フライやカツやコロッケには
コーンオイルを使い続けている。
とんかつなんかはラードで揚げたりもしたいが
一般家庭でラードを使いこなすのは無理がある。

レモンを搾ってそのまま口元に運べば、
くわっ、前夜に引き続き、美味いのなんのっ!
帆立は刺身用だからあまり火を通さず、
ビーフステーキに例えればミディアム・レア状態。
平目は逆にミディアム・ウェルである。

卓上にはタルタルソース、アイオリ、
ウスターソースの三バカ、もとい、三ウマ大将。
どれを添えてもバツのグンである。
とりわけマヨネーズにおろしニンニクを
少々混ぜ込んだアイオリがけっこうだ。

帆立クンもよかったが何といっても平目チャン。
昔は洋食屋の定番だった、
平目フライがメューから消えて久しい。
懐かしさもあいまって平目のフライに
惚れ直した次第でありました。

=おしまい=

「生鮮市場 八百惣」
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