どんより曇った日の午後。
上野の松坂屋の地下にいた。
久々に煮込みでも作ろうか・・・
そう思って精肉売場にやって来たのだった。
目当ての牛スジはすでに売切れ。
となれば豚の白モツに切り替えようか・・・
いや、何だか煮込み作りがわずらわしくなってきた。
移り気で気まぐれでオマケに根気というものがない。
自慢じゃないけど自堕落な性格のために
今まで幾度の失敗を重ねてきたことか。
面倒な煮込みなんかやめて
簡単な豚しゃぶにしようか・・・
それなら近くの「吉池」に移動して
東京Xの薄切りバラ肉が一番だ。
そう思って精肉と鮮魚の売場の間をすり抜け掛けたとき。
♪ 久し振りねと うしろから
ぽんと背中を 叩いたひとがいる
振り向けば なつかしい
羞(はにか)む様な 君がいた
あれからどうして いたのかい
素敵な恋を したのかい
そんなに 綺麗になって
別れたこと 悔ませる様に ♪
(作詞:五輪真弓)
シンガーソングライター・五輪真弓が
作詞・作曲を手掛けた「思い出さがし」。
1982年4月のリリースだが
さて、歌ったのは誰でしょう?
これが意外にも石原裕次郎でありました。
何でも二人は何かのパーティーで初めて出会い、
たまたま「銀座の恋の物語」をデュエットしたそうな。
その後、五輪が裕次郎の曲を
書きたいと言っているとの情報が伝わり、
渡りに舟とテイチクが発注したのだった。
歌の歌詞ほどロマンチックではないものの、
松坂屋の地下でぽんと背中を叩いた人がいた。
振り向けば、なつかしい顔がそこにあったが
羞むような気配はまったくないネ。
満面の笑みを浮かべて
口元からは白い歯がこぼれている。
遭遇したのはSかチャン。
はて、何年ぶりの再会だろう。
=つづく=
上野の松坂屋の地下にいた。
久々に煮込みでも作ろうか・・・
そう思って精肉売場にやって来たのだった。
目当ての牛スジはすでに売切れ。
となれば豚の白モツに切り替えようか・・・
いや、何だか煮込み作りがわずらわしくなってきた。
移り気で気まぐれでオマケに根気というものがない。
自慢じゃないけど自堕落な性格のために
今まで幾度の失敗を重ねてきたことか。
面倒な煮込みなんかやめて
簡単な豚しゃぶにしようか・・・
それなら近くの「吉池」に移動して
東京Xの薄切りバラ肉が一番だ。
そう思って精肉と鮮魚の売場の間をすり抜け掛けたとき。
♪ 久し振りねと うしろから
ぽんと背中を 叩いたひとがいる
振り向けば なつかしい
羞(はにか)む様な 君がいた
あれからどうして いたのかい
素敵な恋を したのかい
そんなに 綺麗になって
別れたこと 悔ませる様に ♪
(作詞:五輪真弓)
シンガーソングライター・五輪真弓が
作詞・作曲を手掛けた「思い出さがし」。
1982年4月のリリースだが
さて、歌ったのは誰でしょう?
これが意外にも石原裕次郎でありました。
何でも二人は何かのパーティーで初めて出会い、
たまたま「銀座の恋の物語」をデュエットしたそうな。
その後、五輪が裕次郎の曲を
書きたいと言っているとの情報が伝わり、
渡りに舟とテイチクが発注したのだった。
歌の歌詞ほどロマンチックではないものの、
松坂屋の地下でぽんと背中を叩いた人がいた。
振り向けば、なつかしい顔がそこにあったが
羞むような気配はまったくないネ。
満面の笑みを浮かべて
口元からは白い歯がこぼれている。
遭遇したのはSかチャン。
はて、何年ぶりの再会だろう。
=つづく=