2018年8月3日金曜日

第1929話 大雨にビビッた日 (その2)

来た、来た、ハゼが来た!
アサヒの大瓶とともに楽しむ。
中ぶりのが2尾に茄子の半割りと大葉が1枚。
当たり前とはいえ、以前とまったく変わらぬ景色だ。

ハゼは1尾を天つゆ、もう1尾は大根おろしと生醤油でやった。
身はホックリと、ちょいと付きすぎのコロモもさほど気にならず、
尻尾も残さずにしっかりいただく。
海老でん、ハゼでん、キスでん、メゴチでん、
穴子と銀宝はどこが尻尾か判別できないが
江戸前の天ぷらは尻尾まで完食するのが流儀であり、作法だ。

大関の生貯蔵酒に切り換え、皿に残った茄子と大葉を平らげる。
この二強に茗荷が加わったら
舌の上に涼気を呼ぶ夏野菜・御三家の揃い踏みとなり申す。
味噌汁にせよ、そばのつけづゆにせよ、
このトリオの連携プレーには目をみはるものがありんす。

何かもう1品ほしい。
くじベコは前回いただいたから好物の焼きとんにしよう。
1種1本からオーダー可能がありがたい。
よって、シロとレバをタレで通した。

当店の焼きとんは初めてだが濃厚なタレが印象的で
神田神保町の「多幸八」をしのばせる。
下処理もキチンと施されており、食味は上々。
だてに半世紀も焼き続けてきたわけじゃない。
意想外の上モノに歯が奮起して咀嚼に励みまくっている。
男J.C.、まだまだ入れ歯の世話にゃならないぜ。

大瓶1本、清酒180ml、ハゼ天1皿、焼きとん2本。
以上で勘定は1820円也。
天ぷらはほかにキス、メゴチ、イワシが用意され、
生モノも揃っていて小肌酢まである。
接客のオバちゃんたちも感じよく、いい店だなァ、ここは!

北千住で東武伊勢崎線に乗り換えて2駅目の五反野。
このたび麻原死刑囚が処刑された小菅の東京拘置所を
毎度、視界に入れることになるが月に一度は通いたい。
そう言いながら、なかなか実行に移せないんだけどネ。

さて、上野での約束の時間まで少々の余裕があった。
北千住なら浅い時間から開いてる店に事欠かない。
そう言やあ、駅そばの飲み屋に同名の「幸楽」があったな。
別段、関連はないようだが
2店を比較すると断然、五反野でしょう。

そんなことを考えながら外に出た。
ありゃ~、土砂降りじゃないか!
駅近とはいえ、これじゃ濡れねずみ必至だヨ。
気象庁に悪態ついたバチが当たったんだ、きっと。

「幸楽」
 東京都足立区弘道1-1-16
 03-3849-6981