2018年8月21日火曜日

第1941話 涙と汗にぬれて (その1)

  ♪   涙と雨にぬれて 泣いて別れた二人
     肩をふるわせ君は 雨の夜道に消えた
     二人は雨の中で あついくちづけかわし
     ぬれた体をかたく 抱きしめあっていたね

     訳も言わずに君は さようならと 言った
     訳も知らずにぼくは .うしろ姿をみてた
     恋のよろこび消えて 悲しみだけが残る
     男泣きしてぼくは 涙と雨にぬれた   ♪

            (作詞:なかにし礼)

和田弘とマヒナスターズ&田代美代子が歌った、
「涙と雨にぬれて」は1964年のリリース。
以前に当ブログで紹介したハズだが
本人がハッキリしないくらいだから
読者にとっては忘却のはるか彼方だろう。
よって今一度、取り上げたい。
世間はこういうのを開き直りという。

この作品は作詞家・なかにし礼のデビュー作。
珍しく作曲も彼自身が手がけている。
作詞・作曲の両刀を使ったのはほかに
黒沢年男の「時には娼婦のように」と
菅原洋一の「風の盆」くらいしか思いつかない。

さて、世の中はお盆休みの真っ只中。
甲子園では全国高校野球大会が真っ盛り。
この日は応援している学校の敗色が濃厚となって家を出た。
近所では面白味に欠けるため、
電車に乗って到着したのは神田神保町だ。

目星をつけていた海南鶏飯の店は案の定、夏季休業中。
想定内につき、精神的ダメージはない。
駿河台下から小川町を経て淡路町にやって来た。
この辺りは旧神田連雀町で奇跡的に戦災を免れた。

おや? 20人ほどの行列が日本そば屋の店頭に―。
池波正太郎翁御用達の「まつや」である。
こういった老舗は長いお盆休みをとるのが常。
頑張ってるなァ。

列の後尾につく気など毛頭ないので
同じ並びの数軒先、カレーライスの「トプカ」に入店した。
何度も訪れているが直近は8年前くらいだろうか。
インドカレーと欧風カレーの二枚看板を
ウリにしている店ながら
好みでない欧風はほとんど食べた記憶がない。
壁に面したカウンターに着こうとすると、
マダムみたいな女性に食券の購入を促された。

=つづくー