2018年8月16日木曜日

第1938話 部位少なくとも焼きは良し (その2)

JR新橋駅烏森口に近い「新ばし 鳥之介」に酌友と二人。
互いに6本構成のかるめコースをお願いした。
元来、コースは好まない。
しかし、当店の品揃えはさほど多くない。
いや、むしろ少ない。
したがって6本でもおおよそカバーしてしまう。
それにコースなら焼き手もシゴトがしやすかろうし・・・。

トップバッターはハツだった。
ハツはハート、説明の必要ない心臓は大好きな部位。
いったん歯を押し返す弾力がイノチで
浅い火の通しが効果を上げている。

続いては正肉のモモ、これもまた良し。
焼き鳥屋の主役は何と言っても正肉。
これが嫌いな客は焼き鳥屋には来ない。
鮨屋のまぐろ、天ぷら屋の海老に相当しよう。
さらに鰻屋の鰻、とんかつ屋の豚、
ハハハ、こりゃ当たり前田のクラッカーでやんした。

焼酎のロックに切り替える。
相方がキープしている黒霧島だ。
”赤”、”白”、”茜”と多彩な顔ぶれを誇る銘柄だが
もっとも普及しているのがこの”黒”だろう。

さて、串も3本目、ここでレバが登場。
おやっ、タレで来るかと思いきや意想外の塩である。
けっこうな焼き上がりながらレバさえも塩とは驚いた。
さすれば、タレはいったい何に使うんだい?
ここまですべて塩だ。

お次はつくね。
自分ではまず頼まぬ串が来た。
まっ、舌先に変化を与えてくれてこれはこれでよい。
薬研ナンコツだか大葉だか、何か混ざっていたかな?
う~ん・・・忘れた。

5本目も変化球でグリーンアスパラの豚バラ巻き。
こういうのもお好みではまず注文しない。
別に嫌いじゃないんだが食指が動かない。
実際口にしてみて多少は見直した。

どん尻に控えしは手羽である。
堂々たるサイズを誇って当店自慢の一串だという。
1本に3個も刺されており、食べ応えがあったなァ。
とにもかくにも6本みんな塩。
最後までタレに出会わなかった。

階段を上がると外はまだ明るい。
すっかり酩酊した相方とJRの改札口で別れ、
こちらはメトロの銀座線。
ここから上野・浅草方面というのが
通常のパターンだが魔が射したのか、
渋谷行き電車に飛び込み、もとい、飛び乗りました。

「新ばし 鳥之介」
 東京都港区新橋3-16-7
 03-3433-1013