2018年8月8日水曜日

第1932話 カレーで一汗流します (その2)

前話に対するクレームのメールが2通到来。
まず札幌市にお住まいのH山サン。
「私はナンが食べたくてカレー屋さんに行きます。
 年配の男性客はライスばっかりですが
 どうしてナンの美味しさが判らないのでしょう?」
ですよネ。
年配のJ.C.も美味しいと思いますが
あのサイズを持て余してしまって
いくら頑張ってもせいぜい1/3がいいところで―。

続いて大田区のS本サン。
「ナンは私のイノチです。
 そのイノチをバカとは何事ですか!」
ハイ、スンマソン。
何事においてもバカはいけませんよネ、バカは!
以後、心して気をつけます。

あ~あ、叱られちゃったヨ。
気を取り直して「デリー 上野店」。
カウンター8席に2人掛けテーブル4卓、
計16席の小体な店のテーブルに独り。

パキスタン風コルマカレーを通して待つあいだに
卓上をみるとレリッシュのきゅうりピクルスはあるが
玉ねぎのアチャールの姿がない。
接客のオニイさんに伝えて準備してもらう。

運ばれたカレーは想像とかけ離れた景色であった。
骨なしチキンもも肉が4塊に半割りの新じゃがが1つ。
あとはかなりの玉ねぎが使用されている。
それはそれでいいんだが問題はソース。
何と言おうか、クリーミーな白濁感がまったくない。
ダークブラウンのソースは
今まで食べてきたコルマとは似ても似つかなかった。

レードルですくって白いライスに二掛け。
スプーンで口元に運ぶと、
ファーストアタックは酸味である。
追い掛けるように苦みが口中に拡がる。

ふ~ん、こういうコルマがあるのかァ。
これがパキスタン風というものかァ。
でもぜんぜん不味くはなく、むしろなかなか旨い。
2種類のレリッシュが効果的に働いて
舌先を飽きさせない。

接客の目も行き届き、
お冷やの注ぎ足しが小まめ。
これなら当店最辛のカシミールカレーだって怖くない。
コルマを完食して、いい一汗を流すことができた。
でもカシミールだと、とても一汗じゃ済みそうにないッス。

「デリー 上野店」
 東京都文京区湯島3-42-2
 03-3831-7311