2018年8月27日月曜日

第1945話 これがホントの盆踊り (その2)

東急目黒線に揺れて揺られて到着したのは奥沢駅。
目黒線といってもほとんどが品川&大田区内を走っており、
線路は目黒区の南端をかすめる程度。
そもそも目黒線のスタート地点、目黒駅は品川区にある。
ちなみにJR山手線で目黒の隣りの隣り、
マンモス駅の品川は港区だ。
まっ、お役所のやることだから所詮こんなもんだろうが
区名&駅名の付け方がしっちゃかめっちゃかだヨ、ったく。

そんな目黒線にあって唯一の世田谷区内駅が奥沢だ。
南口に出ると、見慣れた光景が迎えてくれた。
以前はよく出没したエリアだからネ。
駅前の高級鮨店「入船」の暖簾が揺れている。
水色の地に白く染め抜いた
= 近海 生まぐろ 入船 =
の文字がなつかしい。

日本そばの「織田」はそのまま居抜かれて
「うどん伊予」に変わっている。
愛媛のうどんかァ・・・。
立ち寄ってみたいが本日は狙い定めた店がほかにある。

「四川料理 荒木」は健在。
ここでランチをいただいたのは
もう15年の以前になるだろうか。
当時は「織田」よりもこちらの行く末が心配だった。

駅から歩くこ10分足らずで
目当ての「とんかつ ミカド」に到着。
ターゲットはとんかつではなくカツカレーだ。
時刻は13時40分、ランチは14時の入店までOKのハズだが
ありゃあ、扉は閉じて人の気配がまったくしない。
おかしいな、数日前の電話で営業を確認したのに―。

取り急ぎ店先から再ダイヤル。
出てくれたマダムと思しき女性曰く、
「すみませんねェ、日曜のお昼はやってないんですヨ」
ガッビ~ン!
それはないぜ、セニョーラ!

仕方ないから来た道を戻って伊予うどんにするか?
いや、待て、待て、何もこ奥沢に固執することはない。
奥沢がダメなら田園調布があるサ。
「ミカド」は両駅のほとんど中間点に位置している。

田園調布中学前の信号で環八を渡り、
坂を下れば、もうそこは駅前商店街の入口である。
狙いはミスター・ジャイアンツ御用達の鰻屋「平八」。
このとき、頭の中に銭形平次の声が響き渡った。
「八丁堀の松殺しの下手人が挙がったってえじゃねえか。
 八、ひとっ走り、走りねェ!」
「がってんだ、親分!」
何だソレ! ってか?
平次とがらっ八、合わせりゃ、平八じゃん。

=つづく=