2019年10月1日火曜日

第2231話 あの娘もこの娘もピチ娘 (その2)

川崎市・溝の口にのみとも・Fチャンと二人。
目当ての「いろは」が開店するまで、まだ1時間もある。
上野や浅草じゃないから、15時に開いてる店は少ない。
やってるなと思うと、みな大手チェーンばかりだ。

ようやく探し当てたのが「蛙之介」。
正式名称は「酒飲んで 飯食って 蛙之介」ときたもんだ。
横浜の野毛に1号店があり、
かつては上野にもあったが現在は2軒のみとのこと。

「いらっしゃいませ~!」の女声合唱に迎えられて入店した。
大きなコの字カウンターと広いテーブル席のレイアウト。
無人のカウンターに陣を取ったが
テーブルはかなりの客入りで熱気ムンムンだ。

横浜に近い土地柄から生ビールはキリンと思いきや、
あにはからんやアサヒであった。
さっそく中ジョッキをガッチンコ。
つまみは当方がたません、相方は鳥皮ポン酢。
たませんはハムエッグをえびせんではさんだもの。
モスバーガーみたいに紙で包んであり、食べにくいったらない。
ところが味はなかなかイケてた。

メニューに山わさびの細巻きを発見し、即注文。
粉わさびの巻きものなら看過するが、こちらは本山わさび。
鮨職人並みの仕事ぶりでキッチリ巻かれ、まことに美味なり。
辛味のツーンは半端じゃなく、哀れ相方涙にくれる。 

ホッピーに切り替えた。
外は1本づつの白&黒を二人で分け合った。
これならハーフ&ハーフも楽しめるからネ。
このあたりだったかな?
目の前で鉄板焼きを担当する娘と言葉を交わし始めたのは―。
何でも今日はローテーションの関係で
6人体制がすべて女性なんだと―。
もともとスタッフは女性中心ながら
男完全抜きは初めてなんだと―。

「よかったら何かで割った焼酎を飲むかい?」
「エッ、いいんですか? いただきま~す」
「仕事はちゃんとできるよネ?」
「全然OKでぇ~す!」

結局は薬局、6人全員に大盤振る舞いとなった。
それにしても下戸がいないってのもスゴいや。
もっとも飲めなきゃ、居酒屋でバイトなんかしないか。
とにかくわれわれも飲んだ、飲んだ。
若い娘に目のないFチャンは目尻を下げてご満悦。
「いろは」はとっくに開店してるのに
さらに飲み続けた末に、ようやくのお勘定。

♪ 今宵出店か お名残り惜しや ♪

てなもんで、ハイタッチやらグータッチやら
さすがにハグはなかったがスタッフ一同とお別れ。

♪ あの娘もこの娘もピチ娘 ♪

わざわざ湘南なんぞに行かずとも、
多摩川越えりゃ、そこは恋のパラダイスなり。

「酒飲んで飯食って蛙之介 溝の口店」
 神奈川県川崎市高津区溝口2-13-8
 044-455-5534