2019年10月3日木曜日

第2233話 下北の街 様変わり (その1)

喫茶店を特集した「BLUTUS」を送ってくれた、
N塚サンよりクレームのメール着信。

―  またまた「J.C.に喫茶店は合わないや」って
  載ってる店に全然、行ってないじゃないのっ!

いや、怒ってる、怒ってる。
まっ、指摘されれば、その通りなんですけどネ。
でもって、重い腰を上げました。

狙いを定めたのは下北である。
下北ったって下北半島じゃないヨ、下北沢だヨ。
「BLUTUS」では俳優の柄本明サンが紹介している、
「トロワ・シャンブル」というお店。
仏語で”三つの部屋”という意味だ。

本人がコーヒーカップを前に
サンドイッチをつまむ写真が実によく撮れていて
おそらくこの人はわざと野暮ったく写るように意識しながら
カメラに視線を向けているものと思われる。
普通はこの逆で誰もがカッコよく写りたいと願うハズ。
ここが名優の名優たる所以でありましょう。

さて数年ぶりの下北沢、改札を出てビックラこいたネ。
駅前にごった返す人々も口々に
「いや~、全然変わっちゃったねェ」
「どこがどこだか判んないヨ」
若者ですらこの有り様だから
オッサンの驚きたるや推して知るべし。

とにかく小田急線が地下化され、
東口はまっさらののっぺらぼう。
何たってスーパーのピーコックとオオゼキの間に障害物ナシ。
両方いっぺんに見渡せちゃうんだから呆気にとられた。

気を取り直し、向かったのは「スパイスラーメン 点と線」。
いわゆる行き掛けの駄賃である。
札幌のスープカレー屋が東京や鎌倉に進出して
それなりの成功に味をしめ、新業態に挑んでいるらしい。
カレーライス屋のカレーラーメンという位置づけである。

ゴチャゴチャ判りにくい場所にあるビルを何とか見つけ、
その2階にエッチラオッチラ上がった。
カウンターの左隅に促され、通した注文は
スパイスラーメン(950円)の麺ハーフ(50円引き)と
半ライス(100円)。

残ったスープとライスの相性がいいってんで
必食のライスのために麺を半分犠牲にした次第。
このあとサンドイッチ&コーヒーも待っている。
だけど、この時点でなお半信半疑。
ホントに旨いんかネ?
スパイスラーメンという名のカレーラーメン。
「点と線」って店名もミステリアスだしなァ。

=つづく=