2011年12月7日水曜日

第200話 無化調チキンタンメン 男やもめのキッチン Vol.5

談志は死んだが、男子は独り厨房に入り、
なるべく手を抜いて料理する。
”男やもめのキッチン” シリーズ、その5回目と参りましょう。

日清食品が食の昭和史における最大の発明品、
チキンラーメンを発売したのは昭和33年8月25日。
長嶋茂雄がプロデビューした4ヶ月半後のことである。
この大ヒットによって日本国民は中華そば、
あるいは支那そばをラーメンと言い改めることになった。
もっともそれ以前からラーメン(柳麺)なる言葉は
広く人口に膾炙(かいしゃ)していたけれど。

今回の献立はチキンラーメンならぬチキンタンメン。
しかも化学調味料を全廃した無化調タンメンだ。
こいつはオススメ、とにかく旨い。

十数年来のすさまじいラーメンブームのおかげか、
やれ魚介だ、煮干しだ、鳥ガラだ、豚コツだと、
化調を廃したスープを絶対のウリとする店が
雨後の竹の子の如く現出した。
でも、さすがに無化調タンメンにはお目に掛からない。
専門店がクリアできない課題を成し遂げようというのだから
”男やもめのキッチン” シリーズも
まんざら捨てたものではないと思うのだが、いかがでしょうか?

てなこって、アラ・キュイジーヌ!

用意する食材(2人前)は  
 鶏手羽元・・・4本
 白菜・・・1/4カット弱
 にんじん&玉ねぎ・・・適宜
 にんにく&生姜・・・各1カケ
 中華麺・・・2玉(細打ち・太打ちを問わず)
 

大き目の鍋に水を張り、
手羽元と白菜の下半身のザク切り、
にんにく&生姜を投入して点火。
弱火で煮込んでゆく(この間およそ45分)。
1度火を止めて完全に冷ます。

その後、白菜上半身のザクと
適当に切ったにんじん&玉ねぎを投入して再点火。
再び弱火で煮込む(30分目安だがこだわらず)。
麺が加わるから味付けは塩のみで濃い目に。

麺を好みの固さに茹でて湯切り後、どんぶりへ。
上から厚いスープを注ぎ、
白胡椒を振り、胡麻油を垂らして出来上がり。

好みで刻みねぎや香菜(シャンツァイ)を散らしてもよいし、
胡麻油の代わりに辣油(ラーユ)もイケる。
彩りの欲しい方は絹さやを加える(煮すぎ厳禁)。
上げ際にニラのみじん切りを軽く煮るのはまことにけっこう。

煮込まれて骨離れのよくなった手羽元は軟骨も食べられる。
途中で酢を垂らすと舌先が変わって2度目の美味しさ。
味が薄くてもの足りないと感じる向きは
市販、あるいは添え付けのタンメン用スープを
2人前に1袋だけ使用すれば舌が納得する(誤魔化される)。
こうして段々に出来合い化調スープの量を減らし、
舌を慣らしながら鍛えると、
味覚が進化すること請け合いである。