2011年12月8日木曜日

第201話 或る夜のかくれんぼ

美醜はさておいて妙齢の乙女3人に
老頭児3人がまとわりつく集団あり。
その6人が2~3ヶ月にいっぺんの割合いで
仲よく一緒に温泉に浸かっている。
もとい、ともに食卓を囲んでいる。

バカ言っとらんで老頭児ってなんだ! ってか?
ふむ、若い人にゃ読めんだろな、これ、ロートルと読みます。
意味はくたばりかかった、
もとい、くたびれかかったオッサンのこと。
あいや、オッサンというよりジイサンに近いかも・・・。

それはそれとしてこの自称グルメ集団、
お互いの誕生日なんぞを祝うために
食事会を開いたりもして、けっこうカワユイお付き合い。
愛があれば歳の差なんて、なのである。
まっ、あんまり愛は感じないけんど・・・。

もっともBDディナーはモロ当日に催すわけではなく、
2人くらいまとめてやるから、いい加減といえばイイ加減。
当夜も誰かと誰かの、いや、ちょいと待て、
祝福されたのは1人だったかな? まっ、この程度なのだ。

会場は四谷の住宅街にあるフレンチだが
年長の老頭児2人は行きがけの駄賃とばかり、
四谷見附の角打ち「鈴傳」に立ち寄る。
名うての銘酒が居並ぶなか、迷わずビールだ。
つまみは子持ち槍烏賊と大根の煮付け、これが旨い。

経費削減のために当夜のディナーは泡・白・赤すべて持込み。
BDのお祝いだから乾杯は泡のハズ。
したがって老いてなおビールを好むJ.C.には
必要欠くべからざる寄り道だった。

「メゾン・カシュカシュ」に雁首を並べたのは5名。
オトコと香港くんだりにシケ込み、ドタキャンしたのが約1名。
まっ、そのぶんワインをたくさん飲めるから了とするか。

いただきものは
 豚のリエット 冷燻サーモンのキャヴィア添え フォワグラのリゾット
 真鯛&帆立のポワレ 牛ほほ肉の赤ワイン煮 パン2種
 パンプルムースのジュレ ショコラ&マロンのガトー エスプレッソ

フォワグラのリゾットだけが珍しく、あとはクセ球ナシの直球勝負。
食材は平凡でも調理はしっかりしており、美味しくいただけた。
よくよく考えれば、温故知新の気配さえ感じたくらい。

だが、もしも自分がシェフだったら
 ウサギのパテ 真鱈とその白子の温燻 あん肝のリゾット
 あんこう&牡蠣のポワレ 仔羊のクスクス

こう行ったであろう。
リゾットとクスクスがあるからパンは要らない。
あとはBDケーキ1切れにエスプレッソ。
と、注文はつけても総合評価はけして低くなかった。

ところで一体どこがかくれんぼなんだ! ってか?
遅ればせながら店名の「カシュカシュ」、
これが仏語で「かくれんぼ」なんです。

「鈴傳」
 東京都新宿区四谷1-10
 03-3351-1777

「メゾン・カシュカシュ」
 東京都新宿区若葉2-7
 03-5363-5263