2013年2月6日水曜日

第507話 みちのくひとり旅 (その1)

 ♪ 時の流れに 逆らいながら
   ひとりゆく身の 胸のうち
   俺は男と つぶやきながら
   みちのく ひとり旅
   月の松島 しぐれの白河
   昨日と明日は ちがうけど
   遠くなるほど いとしさつのる
   みれんがつのるだけ    ♪
         (作詞:市場馨)

当ブログの長年の読者、
大阪在住のみめ麗しき乙女・らびちゃんに
「最近、昔の知らん歌ばっかり載せとりますなァ」―
なんて言われちゃったりしてもいるが
今日もめげずにオジさんはゆくヨ。

行ったのはみちのくでありました。
山形にも行ったから純粋にみちのくとは言い切れないけどネ。
みちのくは福島・宮城・岩手・青森のルートで
山形・秋田は残念ながら含まれないんですわ。

上野から宇都宮・黒磯と乗り継いで
降り立ったのは白河の関ならぬ、白河の駅。
山本譲二が歌った通りに白河は時雨に見舞われていた。
ウソじゃないヨ、ホントだヨ。

駅舎の向かいのコンビニ(けっこう遠いんだわ)に駆け込み、
まずはビニール傘の調達である。
これだけでビショ濡れではないが半濡れになった。
とりあえず目指したのは白河ラーメンの人気店、
「手打ちラーメン 英」だった。

雨の中、何でこんなことしてるんだろう? と思いつつも
俺は男とつぶやきながら歩くこと15分、どうにか到着した。
店の前にはクルマが5~6台とめられるスペースがあり、
近隣の客が家族連れで来店するのだろう。

案の定、店内はファミレス化していた。
空席のあったカウンターに導かれ、品書きに目を通す。
塩ラーメン(650円)、ワンタンメン(700円)と迷ったものの、
すんなり王道のラーメン(600円)を所望した。

待つこと10分、現れたのは典型的な昭和の中華そば。
どんぶりを彩るのはフチの赤いもも肉叉焼が2枚に
シナチク・焼き海苔・ナルト・ほうれん草。
そしてこれだけは、らしくない茹で玉子のスライスが1枚。

麺は同じ県内の喜多方ラーメンをちょっと細めにした感じ。
スープは東京の中華そばとそんなに変わらない。
わざわざラーメンのために訪れる町ではないけれど、
しかも白河しぐれの洗礼を受けたのだけれど、
何となく、理由もなく、肌にシックリくる町だったことは確かであった。

=つづく=

「手打ちラーメン 英」
 福島県白河市二番町6
 0248-22-1250